駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

SENRIMA SUPER FIGHT 19 WBC世界バンタム級タイトルマッチ

94年のエロイ・ロハス×浅川誠二戦以来、12年ぶりとなる神戸ワールド記念ホールでの世界タイトルマッチ。キャパシティ8000の大会場が最終的には8〜9割方埋まる、昨今のボクシング興行としては大健闘の客入りで、王者・長谷川はじめとする千里馬ジム&帝拳ジムなど関係者諸氏の幅広い営業・周知活動が実を結んだ形となった。
この会場は交通の便が悪く、関東圏で喩えるならば「横浜駅からしかリンクしてない私鉄に1本乗った所にある有明コロシアム」みたいな扱いに困る多目的ホールで、今では他の格闘技系興行でも地元のプロレス団体・ドラゴンゲートぐらいしか満員まで持っていけない程である。それを一杯にしたのだから、価値は非常に大きい。これが観客動員的には低迷に喘ぐ西日本プロボクシング界の人気復活への起爆剤になってくれれば……。
ところでこの日はオールカラー印刷で内容も割に充実したパンフレットを無料配布するなど、ファンサービスも合格点。また、前座試合を選手のランクに関係なく原則的に6回戦で統一して、冗長な試合の短縮化とメインイベントに合わせた時間調整をスムーズに図るという、観る側の都合を第一に考えたプログラム構成が大変素晴らしかった。少なくともここ数年間に京阪神地区で開催されたボクシングのビッグマッチの中では、ダントツでNo.1のクオリティである。この内容ならK-1やPRIDEともエンターテインメント的な観点でも五分に戦えるだろう。