駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sフェザー級6回戦/△山崎晃[六島](判定1−0)武本康樹[千里馬神戸]△

第3試合には武本兄弟の弟・康樹が全日本新人王戦以来の復帰戦を戦う。相手はいきなりの日本ランカーである。
山崎はB級デビューから7勝(3KO)1敗2分の戦績で現在日本フェザー級8位。かつてはOPBFでも6位にランクされた事がある。唯一の敗戦は昨年5月に、現Sフェザー級日本王者の小堀佑介[角海老宝石]に敗れたもので、その小堀にも一昨年12月に敵地で互角以上の引き分けをスコアする(→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20041221#p3)健闘を見せている。最近でも8/27に高林隼人[Gツダ]、11/6に畑大輔[大鵬]を破り、日本ランカーとして堂々たる戦い振りを見せている。
一方の武本康樹は6勝(2KO)1敗の戦績。05年度新人王戦ではSフェザー級の西軍代表となり、全日本決勝でも惜敗したものの真栄城寿志[角海老宝石]と接戦を演じた。今日は日本ランクとA級昇進の2つを賭けた大事な勝負である。
1R。技術の伴った多数のジャブを交錯させ合うレベルの高い攻防戦。武本はスリッピングアウェー、ダッキングなどで堅守をアピールするも、山崎は左フック、右ストレートをボディへ有効打とする。武本も手数豊富でストレートなどでヒット奪うも、少差劣勢か。
2R。ジャブの激しい差し合いがこのラウンドも見られた。武本もヒット奪うが、それ以上に山崎がヒット数で先行し、右ストレートの印象的な有効打で追い討ち。武本も手数を出し続け、終盤にはストレートを決めて肉薄するがジャッジ的には互角のラウンドか。
3R。武本は力み過ぎか、パンチのモーションが大きく山崎のガードに封じ込まれてしまう。逆に山崎は軽やかにキレのあるジャブ、ストレートを中心にヒット集めて優勢を確保。
4R。このラウンドは武本の手数が印象的で、ボディフック、ストレートで攻勢を見せた。しかし山崎も鋭いジャブとアッパーで反撃し、接戦に持ち込んでゆく。
5R。中間距離での手数の応酬が続く。しかしパンチの精度で勝る山崎が若干優勢の感あり。少差ながらジワジワとヒット数で差を広げてゆく。だが武本も手数だけなら上回る勢いで、ジャッジの見方次第では微妙なラウンドに。
6R。山崎は接近戦で左ジャブ、右アッパー・フック、そしてストレートが冴えに冴えて有効打、クリーンヒットの山。武本も意地で反撃を見せるが、手数ばかりでヒット少なく流石にこれは劣勢。
公式判定は58-56(山崎支持)、57-57、57-57の1−0ドロー。全体的には山崎が攻撃の精度などで地力の差を見せつける試合展開だったように思えたが、武本の手数の多さも最大限に評価された形となったようだ。駒木の採点は少差で迷うラウンドが多かったが59-55山崎優勢とした。
結果的には引き分けとなったものの、山崎が鋭いジャブと固いガードでジェネラルシップを手放さない試合振りで大いに魅せた。中堅日本ランカーに相応しい内容を見せられたのではないだろうか。一方の武本は、気負い過ぎか力みが見られて普段のテクニシャンぶりがあまり発揮出来ずに終わった。もう一度6回戦で戦うことになるが、今度は平常心でキッチリと自分のボクシングをしてもらいたいところ。