駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

興行全体の総括

細かい所で指摘するべき点はあったものの、上を見ればキリが無いというやつで、全体を通して見ればこれ以上無い程の大成功の興行であった。日本ボクシング史上に残る試合を生観戦出来た事は、駒木にとっても一生の自慢のタネになった。ネット界隈の評判を散見しても、マニアから一見さんに至るまで極めて満足度の高い興行だったようで、これなら今後も長谷川が神戸で防衛戦を行うたびに大入り満員となる事だろう。
唯一残念なのはテレビ生中継の視聴率がゴールデンタイムにも関わらず9.9%に留まった事だが、これは今日以前の長谷川の知名度と期待度から考えると、試合開始時点からの“初動”が大きく伸び悩むのは致し方ないところだ。午後8時時点で試合が終わってしまったという点もマイナスに働いた事だろう。これで亀田兄弟の試合中継とのあらゆる面に及ぶギャップが浮き彫りになり、(協栄ジムとTBSのスタッフを除く)全てのボクシング関係者が危機感を抱いてくれるのなら、これもむしろ災い転じて福となるのではないか。
ともかくも、ボクシング人気を試合の質を起点にして復活させ得るキーパーソンがこの日誕生したのである。あとはこの素材をどう使いこなすかだ。当の長谷川穂積本人も含めたあらゆる人々が積極的にプロモーション活動に努める事によって、日本ボクシング界の再浮上に全力を尽くして欲しいと思う。