駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・Sフェザー級10回戦/○吉澤佑規[ウォズ](判定3−0)モセス・セラン[インドネシア]●

メインはウォズジムのエース格・日本ランカー吉澤が登場。インドネシア王者を迎えての調整戦で後援者、関係者のご機嫌を伺う…といったところか。
03年度Sフェザー級日本新人王で現在日本ライト級9位の吉澤は、13勝(6KO)1敗の戦績。唯一の敗戦は昨年8月に元OPBF王者のデニス・ローレンテに喫したもの。その後12/23にタイ人相手に再起を果たして、今回が再起2戦目。
対するSフェザー級インドネシア王者(元フェザー級王者でもあるので2階級制覇)で現在OPBF4位のセランはこれが初来日。自称31勝(9KO)9敗だが、boxrecなどで正確な記録が把握出来ているのはそのうち12勝(5KO)4敗にすぎない。


公式判定は藤田97-93、野田96-94、原田96-95の少差3−0で吉澤。駒木の採点は「西」96-94、「東」97-95で、やはり吉澤。地元判定とは言えないが、吉澤のガードの上へのジャブで稼いだ手数と、セランの数少ないが強烈な有効打とで悩ましいラウンドが多く、公式ジャッジ(そして結果的には駒木も)吉澤に有利になるような解釈で採点した、という見方も出来るだろう。
吉澤はガードの上にでも構わずジャブ中心の攻めを絶え間なく浴びせ、日本下位ランカー相応の地力を発揮して手数と主導権争いでの優勢をアピールした。しかしセランの堅守と桁外れのパワーには大いに苦しめられ、一時は敗色濃厚になった場面もあった。幸運にもセランがパンチの精度を著しく欠いたのと、終盤にスタミナ切れを起こしたのとで際どく逆転を果たしたが、東洋・日本タイトルを目指して行くには物足りない試合内容であったと言わざるを得ない。