駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第5試合・バンタム級4回戦/○馬野晃[ハラダ](判定3−0)小笠原和寿[明石]●

バンタム級戦線のみならず、今期新人王戦屈指の好カードがベスト8で実現。
馬野は3勝(2KO)無敗。1回戦では名越光紀[新日本大阪]を1R57秒TKOで葬っての2回戦進出。小笠原は3勝(2KO)1敗1分の戦績で、1回戦は岡正樹[SFマキ]を相手に、スリリングな攻防戦の末、2度のダウンを奪ってKO勝ちしている。
公式判定は藤田39-37、原田39-37、半田39-38の3−0で馬野。駒木の採点は「西」「東」とも38-38イーブン。
馬野がデビュー以来初めて“難敵”と呼べる相手を前に、これまでの彼らしからぬ慎重なファイトに終始。勝ちに行くのではなく、負けない戦い方で少差の判定勝ちを収めた。前半は得意のフックを繰り出せず、半ば策に溺れた感も有ったが、3R以降はガード、ステップワークで守備を重視しながらも、積極性のある攻撃も出して、実に渋いテクニカルなポイントアウト。エンターテインメント性は若干薄れたが、内容より結果が重視されるトーナメントで新境地を開拓か。
小笠原は今日もカウンター合戦を誘い、得意の左フックでKOを狙ったが、その意図を見透かされて苦戦。やがてディフェンス面の粗さが被弾に繋がって、ズルズルと勝機を見失った。攻略法を見つけられての敗北は正しく痛恨、これは今日だけでなく次戦以降にも悪影響を与えるものとなるかも知れない。