駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・フライ級契約ウェイト(50kg)4回戦/●長田瞬志[陽光アダチ](判定0−2)金城吉廣[正拳]○

長田は昨年8/28のデビュー戦以来のリングで、戦績は勝ち負け無しの1分け。金城は昨年4/30に浦西勝史[神拳阪神]に敗れて以来1年以上のブランクを経ての復帰戦で2勝(0KO)5敗1分。
公式判定は半田39-37、原田39-38、上中38-38の2−0で金城。駒木の採点は「西」39-37「東」39-38でいずれも金城優勢。
金城が曲がりなりにもなキャリアの差、そして相手の守備力の低さにも助けられ、各ラウンドの手数合戦で際どい微差優勢を築きポイントアウト。ただし、パンチは「当てる」以前の「打つ」段階で手一杯という感じで今後の課題も多い。今日のパフォーマンスは、全体的な水準で言えばごく平凡な4回戦ボーイのそれ。
敗れた長田はガードの甘さ、そしてやはり「当てる」まで意識が行っていない攻撃面と課題は多い。地力的には4回戦ボーイでも中の下といったところだろう。しかし、昨夏の実に不甲斐無いデビュー戦を観ている者からすると、今日のプロボクサーらしい試合振りは驚嘆の一言。この9ヶ月間、彼が自身のネガティブな感情と周囲からの白眼視に耐えつつ、どれほどの弛まぬ鍛錬と精進を積み重ねて来たのかと思うと目頭が熱くなる。プロボクサーである以上、敗戦はあくまで敗戦として甘受すべきだが、この1敗はどんな勝利よりも尊い