駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・Lフライ級6回戦/○山脇正輝[大阪帝拳](判定3−0)諸一宇[尼崎]●

05年度Lフライ級西日本新人王・山脇の再起戦。西軍代表決定戦で惜しい星を落として初黒星を喫し、現在の戦績は5勝(0KO)1敗1分。対する諸は4勝(1KO)3敗3分の戦績。思うように戦績を伸ばす事が出来ないでいるが、最近はディフェンスを中心に技術の進境が著しい。
公式判定は野田、上中、原田いずれも59-55で山脇を支持。駒木の採点は「西」57-57「東」58-58でイーブン。公式ジャッジは恐らくは山脇の強打を重視し、駒木は諸の非力ながら高度な技術を伴った手数を評価したもの。スコアはともかくとして明確に後半で優勢を築いた山脇の勝ちでおかしくない内容だった。
山脇は復帰前と同様に、ガードを堅く固め、圧力をかけては左フックと右ストレートを上下に打ち込んでゆく作戦。愚直ではあるが、体力面の優位を活かして確実に手数を重ね、相手の非力さにも助けられて各ラウンドで少差優勢を勝ち獲った格好。現在のスタイルはウィラポン亀田興毅をミックスさせたような感じで、これがどちらのモデルに近付いて行くのかは今後の精進次第という事になるのだろう。
敗れた諸は攻守のテクニシャンぶりで試合前半で互角に健闘したが、非力ゆえに相手のガードを突き破れず、更に自分から動き回るスタイルが災いしてスタミナも失って各ラウンドの終盤で息切れしてしまった。人間の主観でジャッジを行う以上、追い上げを許すと実情以上に見た目が良くない。今後は各ラウンドの3分間のスタミナ配分がポイントとなるだろう。