駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・ライト級6回戦/○高橋秀鎮(3R1分52秒TKO)竹ヶ鼻亮二[進光]●

両者の戦績は高橋4勝(2KO)1敗1分、竹ヶ鼻は4勝(1KO)7敗2分。
1R。中間距離でジャブからワン・ツー中心の強打を打ち合う攻防戦。6回戦にしては両者ともパンチの精度が粗い感じでヒット数少なくほぼ互角だが、高橋は先手、先手で仕掛けて僅かにジェネラルシップで優位か。
2R。このラウンドもジャブ、ストレート中心の打ち合いが続くが、やはりクリーンヒットに恵まれない。高橋の右フックがコーナーで有効打もダウンには繋がらず。竹ヶ鼻は得意の左フックを出せず、やや劣勢。
3R。徳山昌守風スタイルで攻める竹ヶ鼻の左ジャブが当たり始め、それを起点としてビシビシと鋭いパンチが決まり始めた。右ストレート、アッパーもタイミング良くヒットして明らかな優勢を築いたが、ここで1Rに負った顔面の傷(高橋の正当な加撃によるもの)が悪化したとの判断で無念のドクターストップTKO。このまま試合を続ければ、竹ヶ鼻有利の試合結果が予想されただけに、このストップは敗者には勿論、手応えの無い勝利を掴まされた高橋にとっても可哀想なタイミングだった。
さて、試合全体を概括すれば、6回戦としては今ひとつのレベルと言わざるを得ないだろう。勝った高橋は1〜2Rで主導権を握ったが明確な優勢確保とは行かず、逆に3Rからズルズルと劣勢に追い込まれそうだっただけに、この試合の結果と内容との整合性はかなり微妙と言える。試合後のインタビューでは竹ヶ鼻側のサポーターと思しき観客からの野次にエキサイトする場面もあり、本人としても納得の行く試合内容ではなかったようだ。この忸怩たる思いは次戦、自らの拳で晴らすしかあるまい。ただ、公の場で観客に暴言とも受け取れる言葉を吐いた事は素直に反省してもらいたい。
竹ヶ鼻は先述の通り、3Rから攻勢に出ていただけにこの敗戦は不運の一言。ただ6回戦の選手としては地力的に物足りない印象は否めず、戦績相応の実力かな、という気もする。