駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・ライト級6回戦/○大沢宏晋[大星](判定3−0)坂井允[鈴鹿ニイミ]●

05年度ライト級西日本新人王・大沢の復帰2戦目。戦績は6勝(2KO)1敗2分で、この試合に勝てばA級昇進となる。対する中日本から遠征の坂井は7勝(5KO)4敗の戦績。02年フェザー級日本新人王のタイトルを持ち、8回戦での勝利経験もある。
公式判定は宮崎58-55、大黒58-56、原田58-56の3−0で大沢。駒木の採点は「西」「東」とも59-54で大沢優勢。なお、2Rに坂井がダウン1回あり。
大沢は6ラウンドをスタミナ切れせずに戦い抜ける自分を確かめるような、事情を知らない者からすれば必要以上に慎重とも映るファイト。今日は相手よりも己と戦っていたような感じで、喩えるならば弾薬と兵糧の補給に不安を抱える砲兵部隊の隊長のような戦い振りだった。ただ、別の見方をすれば、セーブ気味に戦って8回戦選手にダウンを奪う勝利を収めたのだから、この勝ちはヘタなKO勝ちより意義深い。今の彼に必要なのは過信に至らぬ程度の揺るがぬ自信。自分を信じられない選手が大成できるはずも無い。まずは並クラスの8回戦選手を相手にフルラウンド戦う経験を積み、後顧の憂いを断つ事が望まれる。スタミナの心配が無くなって来れば、日本ランキング以上の展望も広がって来るだろう。
坂井もA級選手に相応しい重厚なファイトを見せてくれたが、大沢のディフェンスを最後まで攻略できず、不発弾ばかりを撃ち続けた。数字の上では競った判定となったが、実際の地力と素質は公式判定の点差以上に広がっている印象を受けた。