駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・Sフェザー級8回戦/○三浦誉士[金沢](6R2分36秒TKO)ディラサック・ヨー・チュンポン[タイ国]●

三浦は7勝(4KO)2敗1分の戦績。かつて元日本王者のキンジ天野を破って一躍名を馳せたが、その矢先に交通事故に遭って長期ブランクを余儀無くされた。05年秋の復帰後も、噛ませ犬役として呼んだ選手が何故か世界ランカー級の強豪…という不運にも苛まれて現在なお低迷中。今回はタイ人ランカーを相手にリスタートを図る調整戦。そして今宵の相手役・ティラサックは現在タイ国フェザー級2位。来日はこれが4回目で、過去の来日3戦は、3敗2KO負けという露骨な成績となっている。
1R。ディラサックは低いガードに粗いワン・ツー中心のファイトスタイル。噛ませ役にしてはアグレッシブな方だが、実力はランキング相応。三浦は落ち着いて正攻法から右ボディを2発有効打して手堅くリード。
2R。近い距離での打撃戦。三浦は上下へのフックで仕掛け、左右ボディ、右アッパーと繋げて攻めたてる。ディラサックは右の強打がパワフルだが粗い。
3R。三浦は左ジャブからの慎重な攻め。右ストレートやボディを打ち込むが、ディラサックはガード手堅く、逆に右ストレートで反撃して互角の形勢へ。
4R。互いのパンチが当たる距離。ディラサックが右2発で先制するが、三浦は右フック、アッパー、そして左カウンターと再三のヒット、有効打で逆転して優勢確保。
5R。、両者アグレッシブな打ち合いだが、三浦がことごとく打ち勝ってゆく。左ジャブを起点に細かいヒットを重ねておいて強い右ストレートを有効打。ディラサックも手数豊富だが的に届かず。
6R。中間距離での淡々としたジャブからストレートの探り合いが続いたが、三浦はコツコツと左当ててアッパーから右ストレートをクリーンヒットさせて効かせると、すかさずラッシュを浴びせてTKOを勝ち獲った。
三浦が無難な再スタートを切った試合。戦意の高い相手にも恵まれて、対タイ人の試合にしては充実した内容となったのではないだろうか。今日は激しい打撃戦の後から淡々とした探り合いに後退するなど、攻め方がチグハグだった辺りに2月の敗戦の後遺症も感じられたが、これで立ち直るなら儲けモノだろう。