駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・ミドル級10回戦/○石田順裕[金沢](4R2分39秒KO)鄭亨源[韓国]●

メインイベントは、元OPBF王者にして、昨年はビータイトも制して復調著しい石田順裕が登場。タイトルマッチ前哨戦と位置付けられた、韓国人ランカーとの調整戦に臨む。
石田は14勝(4KO)5敗2分の戦績で、現在はSウェルター級でOPBF3位、日本1位にランクされている。当面の目標は、クレイジーキムの保持している同級2冠タイトルへの挑戦・奪取か。そして対する鄭は5勝(3KO)3敗という浅いキャリアだが、選手層の薄い韓国ではSウェルター級4位のランカーとなっている。
1R。互いにタイミングを測りながら強打コンビネーションを放ち合う、A級戦らしい攻防からスタート。石田が左ジャブ、アッパーで先手を奪い、終盤には右ボディストレートをヒットさせた。鄭も迫力あるワン・ツー、アッパーを見せたがこれはガードされた。
2R。石田は左のリードジャブでリズムを測ろうとするが、鄭の強引な右をガードの上から効かされてピンチに。しかし続くガードをガードして左フックから右ストレートへ繋いでビハインドを幾分穴埋め。
3R。石田はこのラウンドも左のリードジャブから仕掛け、今度は鄭をロープに詰めて攻勢に出る。ボディ連打から右ストレート、左カウンターなど自在の攻めを見せて優勢。鄭もボディから顔面へ連打を放つも、やや単調で石田にガードされる。
4R。石田の攻勢が続く。鄭をまたもロープに詰めてボディからのアッパー、ワン・ツーで圧倒する。鄭は懸命に反撃するが逆に隙を突かれ、左右のアッパーで1回目のダウン。その後も鄭は悲壮な抵抗を見せるが、石田は落ち着いてロープ際でのワン・ツー連打。これで鄭は2度目、3度目と立て続けにダウンを喫して敢え無く自動的KOとなった。
対戦した両者に相当な実力差があるマッチメイクだったが、鄭の韓国人ファイターらしい戦意の高さのおかげで随分と噛みあった好試合になった。やはり観る側からするとタイ人より韓国人である。
さて、石田は試合後のインタビューで「正直相手を舐めていた」と反省の弁を述べたように2Rでピンチに陥る場面もあったが、劣勢に陥った後の対処の素早さは流石に元タイトルホルダーといったところ。ただ、このレベルの相手にどれだけ強さをアピールしても、来るクレイジー・キム戦への好材料とはなるまい。