駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・バンタム級8回戦/○坪内達哉[大阪帝拳](判定3−0)竹本裕規[風間]●

坪内はB級デビュー以来5勝(2KO)1敗。唯一の敗戦は昨秋に玉越強平[千里馬神戸]に勝勢とも言える大健闘の末判定負けを喫したもので、素質と能力の高さが窺えるホープ。対する竹本は8勝(4KO)5敗1分のサウスポーで、03年にフライ級で西日本新人王のタイトルを獲得している。一般的には、亀田興毅と対戦するために来日したカルロス・ファハルドとの公開スパーで“掟破りのガチ勝負”を仕掛け、スポーツ新聞紙上を賑わせた選手と言った方が通りが良いだろう。
公式判定は大黒80-72、原田80-73、浦谷79-73の3−0で坪内。駒木の採点は「西」80-72「東」80-73で坪内優勢。
今日の坪内は、持ち前のステップワーク豊かなジャブよりも左フック、アッパーや右ストレートといった強打による攻勢が目立ち、有効打・クリーンヒット数で試合を通じて確実に優勢を築き上げた。攻撃面では以前の非力さはすっかり解消されており、定評のあった守備面も健在で合格点。強いて注文をつけるなら7〜8Rで集中力が途切れた点がどうかだが、いよいよ本格化の時到来か。今の試合振りなら日本ランキング入りも目前で、来年の今頃にはIMPホールのメインを張っているかも知れない。
竹本は東南アジアやメキシコの国内チャンプによくいる、技術よりパワー優先のラフなファイトスタイル。この不器用な戦型でもA級で勝ち負け出来ているのは、ある意味敬意に値するだろう。ただし、ガードが甘いが故の被弾が多い上に、気持ちが乗り過ぎた大振りが目立つ現状では、採点勝負になると分が悪くなるのも当然。素人目には「鋭い左ストレートも持っているのに、勿体無いなぁ」と思ってしまうのだが……。