駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・Lフライ級8回戦/○国重隆[大阪帝拳](判定2−0)橘悟朗[エディ]●

セミファイナルは、大阪帝拳ジムの軽量級エース・国重隆が登場。果敢なマッチメイクを続ける新鋭・橘の挑戦を受けるランキング争奪戦。
国重は15勝(2KO)2敗の戦績で、現在OPBFライトフライ級4位、日本同級1位の上位ランカー。但し世界ランカーの多い階級ゆえにタイトル圏内とは未だ距離がある近況だ。一方の橘は7勝(1KO)3敗1分。今日は昨年12/17に日本ランカーの池原繁尊[横浜光]に判定負けを喫して以来のカムバック戦。
公式判定は宮崎77-75、野田77-76、大黒76-76の2−0で国重。駒木の採点は「西」78-74「東」78-75で国重優勢。
両者のKO率を見てもわかるように、体重のみならずパンチ力においても“軽量級”同士の一戦。ちょっと観戦経験の深いファンならゴング前から判定決着が予想でき、かといって最高峰クラスの技術戦を期待出来るわけでもないカード。そして残念ながら、現実もその予想通りの内容となってしまった。観客の立場からすると、この組み合わせで8ラウンドは正直言って長いなぁという感じ。
さて、国重は試合前半、攻守のインサイドワーク巧みに立ち回り、精度の高い右フック中心にヒット数で大差をつけて採点上は早々に安全圏を確保。しかし積極的に動き回るスタイルのせいか5R以降はスタミナ切れが顕著となって急失速し、終盤にはクリンチを多用して時間を潰すのがやっとという体たらく。終わってみればギリギリの逃げ切り判定勝ちだった。格下相手に地力の差を見せ付け、タイトル挑戦に弾みをつけたかったが時期尚早感ばかりが高まる最悪の結果となってしまった。
橘は今日もパワー不足をアグレッシブさと手数の山で補完するファイトスタイルで戦ったが、前半は国重の守備力を突き崩せず、国重が失速した後半もパンチの精度の差を克服できずに互角どまり。パンチ力に頼らない名手の妙技を味わって、手数一辺倒では通用しない領域があるという事実を思い知らされた事だろう。
結果的に接戦となって判定結果には青コーナー側観客席からブーイングも飛んだが、8ラウンド通じて有効打らしい有効打を奪えずに勝ち負け云々を言う方がおかしい。