駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

ライトフライ級中盤情勢

準決勝カード

情勢解説&終盤展望

実力上位3名の“死のブロック”に放り込まれた優勝候補筆頭の浮田博展[倉敷守安]は負傷判定で涙を飲んだが、全体的に見れば、ほぼ順当な結果に収まっていると言えるだろう。
さて、先述の“死のブロック”から勝ち上がったのは、浦西、浮田と連破した山本剛嗣。やや非力な手数一辺倒のファイトスタイルだが、上下に4種のパンチを散らす回転力には見所あり。突出した才能は感じ難いものの、実績面から考えても優勝候補最右翼に浮上したと見て良いだろう。
この山本と対戦する鈴木遼もアグレッシブさを前面に押し出すタイプ。ステップを踏んで山本の攻め気を逸らしながらジャブで手数・ヒット数優位に持ち込みたい。但し、一向に改善の跡が見られない精度の甘さが問題で、まともに打ち合えばなし崩しに主導権を失いそうだ。
反対側のブロックからは、この階級で最大の不確定要素だった町田昌丈が一戦ごとに調子を上げて注目株に出世した。2回戦で披露した“マトリックス・ディフェンス”は是非とも生観戦で見届けて欲しいパフォーマンスだ。課題はこの巧守に溺れて攻める手数が乏しくなりがちな点で、判定決着になると手数重視のジャッジに泣かされるタイプ。
町田と準決勝で対戦する野口貴史は、果敢に距離を詰めて乱打戦に持ち込み、ショートブローをつるべ打ちにして攻め込むファイター型。有り体に言って、ベスト4進出は相手に恵まれた所が大きいが、町田の生命線である動きの大きなディフェンスを封じ込めれば波乱を起こす目もある。