駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

フライ級中盤情勢

準決勝カード

情勢解説&終盤展望

平凡なレベルなりに有力候補がほぼ順当に勝ち残って平穏ムード。ベスト4候補では小林歩[明石]がスプリットで惜しい星を落としたぐらいで、波乱らしい波乱は今のところ見られない。
勝ち残り4人では、橋本泰治が安定感で一歩リードか。フックがオープン気味で決め手に欠けるものの、ハンドスピードと精度を備えたアグレッシブな攻撃でここまで危な気の無い戦い振り。ディフェンスも得意のダッキングを主体に手堅く、文字通りの負けない(5勝無敗3分)ファイトを支えている。
準決勝で橋本と対戦する松元雄大もアグレッシブさを前面に出す選手。圧力をかけつつ強打中心に攻め込むタイプで、ディフェンスも4回戦では並以上に手堅い。同型タイプの対戦だけに地力で勝る橋本を優位と見るが、各ファクターごとの差は小さいだけに流れ一つで思わぬ展開となる可能性も。
もう1つのブロックでも05年度組VS初出場組の組み合わせ。緒戦を豪快な1RKO勝ちで飾った宮口正春は、4勝のうち3KOとこのクラスにしては高いKO率。決定力のある強打は今後も脅威となるだろう。とはいえそのパンチは大振り気味で、守備に関してもガードが緩いなど弱点を抱える。いかにも荒削りなファイトスタイルで、絶えず自滅する可能性が付き纏うのが泣き所か。
宮口に対するは怒涛の4連勝で勢いに乗る清水裕。左フックのダブルやキレのあるショートブローなど技術面でも進境著しく、新人王戦に相応しい選手に成長を遂げた。ただし緒戦を見る限りでは被弾も多く、パワーヒッターを相手に不安も高まる。先手必勝で早めに有効打を奪って主導権を握りたい。