駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

バンタム級中盤情勢

準決勝カード

  • 源甲斐幸三[Gツダ]×橋詰知明[井岡]
  • 山本幸史朗[ウォズ]×馬野晃[ハラダ]

情勢解説&終盤展望

最激戦区&今期西日本パウンド・フォー・パウンド候補のバンタム級小波乱の連続。樺山祐平[塚原京都]が2回戦で姿を消した他、宮村裕司[神拳阪神]、岡正樹[SFマキ]といった連続参戦組も新鋭に喰われて緒戦で姿を消した。しかしベスト4に残った顔触れは実力派揃いで、今後の興味も尽きない。
中でも開幕前から逸材と評判の橋詰知明は、既に6〜8回戦級の地力だろう。少なくともテクニックや体捌きの面では他の3人を圧倒している。現在の短所は勝ち気に過ぎる性格がディフェンス面で悪影響を及ぼすところで、2回戦では不意のダウンを喫する不覚も。少なくとも準決勝は圧倒的優位だが、西日本から先も見据えてセルフコントロールの意識を高めたい。
デビュー以来5連敗から昨年末に漸く初勝利を挙げたばかりの源甲斐幸三だったが、2回戦のVS樺山戦を“秘密兵器”の右強打で強行突破した。攻守両面でぎこちなさ・頼りなさが残る現状で長期戦になると勝ち目は薄いが、橋詰が不用意に攻勢を仕掛けて来る際に生じる一瞬の隙を狙いたい。
2試合目の方は、デビュー以来負け知らずの4連勝で台頭した馬野晃に注目。ガードの上からでも効かせてしまうパワー溢れる強打に加え、2回戦ではステップワークで相手の距離を外しながら的確に有効打を積み重ねる渋い技巧も披露。素質の奥深さなら橋詰と互角以上と言えるだろう。
この馬野と対戦するのは、前年度Sフライ級の決勝進出者山本幸史朗。名目上の実績なら上位ではあるが、今期緒戦となった2回戦の戦い振りは、やや精彩を欠いての際どいドロー勝者扱い。一気の相手強化となる準決勝では、何か新味を見せないと苦戦は必至。