駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

スーパーライト級中盤情勢

準決勝カード

  • 森山公則[エディ]×千葉龍史[塚原京都]
  • 越崎泰広[尼崎亀谷]×塚本隆太[明石]

情勢解説&終盤展望

混戦ムードの中で有力候補の敗退が相次ぎ、勢力図は開幕時とは様相が一変。しかし全体的なレベルの方は相変わらずで、前年なら準決勝〜2回戦で敗退しそうな水準のまま推移している。そろそろ後楽園へ向けて頼もしい材料が出て来て欲しいところだが……
下馬評段階の有力候補の中で、唯一生き残ったのが越崎泰広。たとえ劣勢に追い込まれても一撃で挽回できる強烈なKOパンチは健在だが、荒削りな印象も抜けきらない。守備面に甘さを残しており、期待と不安の両方が絶えず付き纏う選手だ。
そしてダークホース的存在から浮上したのが千葉龍史。開幕前から京都内のジムでは評判の逸材だったそうだが、なるほど、回転力、パワーなどで素質を感じさせるトーナメント緒戦の戦い振りであった。しかしながら、攻撃面は力任せで雑、守備も妙な所に隙が出るなど、解決すべき課題も多い。戦いながら技術を洗練させ、現在4回戦上位級の総合力を素質に見合った所までレベルアップさせたい。
残る2人の選手は地力的に言って、ここから勝ち上がるには相当なサプライズが必要だ。千葉と対戦する森山公則は、攻撃面においてハンドスピード、精度、パワーの各要素で差をつけられている。相手の守備の甘さを突きたいが、決定力に欠けるパンチでどこまで健闘出来るか。2戦連続不戦勝で勝ち上がりの塚本隆太は、昨年12月に初勝利を挙げて以来の実戦となる。実績は未勝利選手からダウンを奪われ、辛うじて逆転して挙げた1勝だけで、これでは越崎を相手に準決勝を戦うには余りにも心許無い。