駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・Sバンタム級4回戦/△板倉康友[ハラダ](判定0−1)坂東大輔[進光]△

公式採点は野田39-38(坂東優勢)、宮崎38-38、半田38-38の1−0ドロー。駒木の採点は「西」
板倉は1勝(1KO)2敗1分の戦績で、ちょうど1年前のハラダジム夏興行以来の復帰戦。坂東はこの日がデビュー戦。
坂東はガードを高く固めながら、右ストレート、左フック、ワン・ツーとパワー、スピードを感じる強打を次々と打ち込むが、デビュー戦の緊張からか力みが過ぎて連続性の無い単調な攻撃ばかりで、あからさまなオープンブローも目立つ。
一方の板倉はジャブを起点に、ガードの空いたボディへアッパーを打ち込み、相手の注意が下へ向いたところへ顔面へも強打……という、頭を使った戦いぶりでヒット、有効打を量産。前回で見せたガードの甘さや大振りも改善されており、1年間の進歩に好感が持てる。
試合は板倉がやや力感に欠けるものの明確なヒット数で大差先行し、それを板倉が散発的ながら強烈な有効打で見せ場を作って挽回……という展開に。3R終盤には坂東が突如通り雨のように激しい左右フック乱れ打ちを見せて板倉をグラつかせるシーンがあり、他のラウンドでも板倉を守勢に追い込むシーンもあったが、主導権を握っている時間は板倉が圧倒的に長かった。
公式判定は野田39-38(坂東支持)、宮崎38-38、半田38-38の0−1ドロー。駒木の採点は「西」39-37「東」40-37で板倉を優勢とした。強打と手数・主導権の交換レート次第ではイーブンもあり得る内容ではあったが、ドロー決着とはいえ1票を坂東が獲得したのには少々驚いた。
坂東はハンドスピードやパワーに見所があるが、今日はとにかく肩に力が入り過ぎ。ガードを上げっ放しでボディを狙い打たれ、ディフェンスに専念する度にピンチに陥るなど試合運びの拙さが目立った。今のままでは宝の持ち腐れである。
板倉は攻守の粗い面が無くなり、冷静な上下の打ち分けなど内容的には進歩している。要所要所で被弾する守備勘の甘さが響いてジャッジの心証を損ねたが、内容は五分以上。ややパンチ力に物足りなさは残るが、新人王戦に出場してもおかしくないレベルにはある。