駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・Sフェザー級4回戦/○中川直幸[ハラダ](判定3−0)楠章二郎[新日本大阪]●

中川は3勝(0KO)3敗1分の戦績。昨年度新人王戦では1回戦を突破するも、2回戦で柳井育夫[大鵬]にドロー敗者扱いとなった。今回はその敗退以来1年ぶりの復帰戦。一方の楠は2勝(0KO)4敗2分の戦績。5/3に新人王戦予選で藤本貴一[Gツダ]に敗れてからの再起戦。
両者ベタ足気味でややスピード感に欠ける動き。次第にステップを踏む場面が減り、やがて額が着くぐらいの距離まで接近して重厚な打撃戦へ。楠はジャブ、ワン・ツーから左右のボディブローで手数を浴びせてヒット数先行。互いにスタミナが切れた終盤戦でも上下左右にフックを振るって懸命に戦った。
一方の中川はショートアッパーで楠のガードをこじ開け、ジャブ、ショートフックを浴びせてゆく作戦。3Rには明確な優勢を勝ち取り、他のラウンドでも手数ではほぼ互角。しかし攻めには強引な印象が否めず、ヒット数で見劣りするラウンドも目立った。
公式採点は宮崎39-37、大黒39-37、原田39-38の3−0で中川。駒木の採点は「西」39-37楠優勢「東」39-39イーブン。中川の3Rの優勢と、全般的なアグレッシブさが評価された形だが、この判定は、ヒット数で小差ながら優勢を確保していた楠には少々気の毒。
両者の新人王戦1回戦級の実力と限界を同時に示したような試合内容。中川が手数と攻勢をアピールして際どくジャッジを味方につけたが、スピードと攻撃の精度から言って6回戦では苦戦が予想される。
楠はガード、コンビネーションといった持ち味を活かしたが、肝心な所でスタミナが切れて、相手が苦しんでいる時に同じように苦しんでしまったのが敗因か。これで3連敗、随分と戦績に大きな傷が出来てしまったが、4回戦なら普通に勝ち負けできるレベルだけに、3勝目を目指してこれからも頑張ってもらいたい。