駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・ライト級4回戦/○中島涼[ハラダ](2R1分50秒KO)末吉勇大[神拳阪神]●

中島は3勝(3KO)3敗の戦績。昨年度の新人王戦はキラー・ショットの左フックで西日本決勝まで進出したが、その決勝で武本康樹[千里馬神戸]に破れ、12月の再起戦でも思わぬ1RTKO負けを喫して2連敗。今回はそれ以来7ヶ月ぶりの再々起戦。対する末吉は03年9月にデビュー戦をKO勝ちして以来、なんと2年10ヶ月ぶりの復帰戦。業界筋からの話ではプロテストを再受験してのカムバックとの事。
1R。中島は左ジャブを意識的に使って相手の隙を探り、そこからキラーの左フックを見舞おうという構想。しかしジャブは次々と突き刺さるも、左フックは相変わらずのメクラ打ちでヒットしない。これに対し、ゴング早々大曲輝斉状態でスタートダッシュをカマすなどテンションの高い末吉は、中島の左フックに右フックでクロスカウンターを奪おうとする危険な作戦。これが決まれば昨年12月の中島×岩下幸右[Gツダ]戦の再現となるところだったが、この狙いは不発に終わる。
2R。このラウンドもクロスカウンター合戦という『あしたのジョー』のような攻防となるが、中島が左ジャブを起点にして着実にヒットとダメージを積み重ね、そこから新兵器となる左→右のコンビネーションフックを炸裂させて、あっという間に2度のダウンを奪って鮮やかなKO勝ちを果たした。
中島は左フックに加え、リズムと手数を稼ぐ左ジャブ、そして左フックから繋げる2つ目のキラー・右フックを身に着けて大きく成長。今後は、メクラ打ちが直らない左よりも、むしろ右フックの方が頼りになるのではないだろうか。これなら6回戦でも通用する目処は立ったが、課題は上げようと思っても上がりきらない左のガード。ハンドスピードのある右を使う相手に出会った場合どう対処するかがカギとなるだろう。
末吉は3年ぶりの試合とは思えぬ気合の入りようで、果敢に右のフック、ストレートでカウンターを奪いに行ったが、結局叶わず玉砕した。自分のペースにハマれば大勝しそうなタイプだが、やや戦い方が強引過ぎる嫌いがあり、現状は自分を傷つける確率の高い諸刃の剣。