駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第2試合・フライ級4回戦/●長野憲次[尼崎](3R2分44秒TKO)長田瞬志[陽光アダチ]○

両者戦績は長野1勝(1KO)2敗1分、長田は未勝利1敗1分。この両者はちょうど1年前、このIMPホールの尼崎ジム主催若手興行で対戦、お世辞にも熱戦とは言えない内容で引き分けている。今回は、互いに己の成長ぶりを見せ付けて勝利を収めたいところだろう。
1R。長田は技術不足を補おうとアグレッシブに先手、先手の攻め。ぎこちないボディワークも披露しつつ、ワン・ツーを上下に散らしてヒットを積み重ね、右クロスでフラッシュ気味ながらダウンまで奪う。長野は距離が合わずクリンチに苦しめられるが、ジャブ、ストレートでガードの緩い長田に有効打を連発する。
2R。長田はアグレッシブだが動きが固く、長野のワン・ツー、ボディを次々と被弾してしまう。しかしそれにも怯まず粘り強い抗戦を続け、逆にクリーンヒットで長野をグラつかせること3度。コーナーに詰めてのラッシュも見せ、際どい形勢ながら攻勢を必死にアピールする。
3R。長田はワン・ツー・スリーで、今度は鮮やかなノックダウン。長野は都合4点分のビハインドを挽回すべくボディフックとカウンターのクリーンヒットで健闘するが、長田のアグレッシブさは衰えず、しつこく連打をまとめていって遂には長野を棒立ちにさせてレフェリーストップを勝ち取った。
長田はワン・ツーすらロクに打てなかった1年前に比べると別人のような進歩で、その1年前戦った相手に嬉しい初勝利。彼らの試合をずっと追いかけて来た人間としては感慨深い事この上なしだ。だが、冷静に彼の実力を査定すると、固い動き、甘いディフェンスなど攻守において課題だらけというのも確か。まだまだ4回戦ボクサーの能力水準から言えば下位クラスであり、兜の緒を締め忘れてもらっては困る。
長野は最近目立たなかった打たれ弱さが1年ぶりに顔を出した感じ。強引に攻めて来る相手に対応し切れず、いくつかあった挽回のチャンスも実らせる事が出来なかった。1勝のまま終わる選手ではないはずだが、6回戦や新人王戦出場を目指すのならば、大幅な地力向上が必要になって来るだろう。