駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・ライト級4回戦/●古田勲[進光](3R0分36秒負傷判定0−3)鈴木誠[ヨシヤマ]○

両者戦績は古田が未勝利4敗、鈴木が3勝(3KO)5敗。古田は3/25の長谷川×ウィラポン2の前座に出場して以来、鈴木は02年10月以来ほぼ4年ぶりの復帰戦。
1R。両者とも動きがあからさまに鈍く、プロの水準に至らない緩慢な動きでクリンチ気味の膠着戦に。それでも“現役”の強みか古田の右ストレートやフックが再三ヒットする。鈴木はコーナーに詰めて圧力をかけるが全く手が動かず、逆襲を浴びてしまう。
2R。鈴木が前々へにじり寄るもやはり手が出ない。古田も睨まれた蛙の様に動けず、ぎこちないフォークダンスのような有様。ラウンド中盤以降、漸く手数が出て来た鈴木が体ごとぶつかるような不器用なアタックで上下へヒット。古田もカウンターで対抗するが、パンチの数で見劣りする。
3R。特に見せ場の無い淡々とした展開だったが、古田の額が鈴木のアゴにクリーンヒットしてしまい、流血の惨事。攻防の無いまま試合はストップされ負傷判定へ。
公式判定は北村30-27、宮崎30-27、野田30-28の3−0で鈴木。駒木の採点は「A」「B」いずれも29-29イーブン。特に見せ場も無くごく短時間で終わった最終Rを10-9とした2氏の採点には疑問が残った。ヒット数で明らかに古田が上回っていた1Rを三者一致で10-9鈴木とした事も含め、試合内容よりも「プロの水準に達していない選手に負け以外の成績を残してはならない」という判断が先走っているのでは、と穿った見方もしたくなる。「お前は弱いから頑張っても負け」では、僅かな望みを賭けて戦う選手が可哀想だ。
この日の試合内容は両者プロとして最低ランク以下で、今年度の4回戦でもワースト試合候補に挙げねばならないレベル。鈴木はブランクが大き過ぎて全く動きに精彩無く、乱暴な突進とも受け取られかねない攻勢が見られたのみ。これでB級昇格という事になってしまうのだが、もう1〜2試合は4回戦で調整しないとお話にならない。
古田は引き気味で消極的な試合に終始。それでも1Rはヒット数で明確にアドバンテージを得ていたのだが、ここまでジャッジを敵に回してしまうと判定で勝つのは厳しいか。