駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・フライ級4回戦/○山本直輝[塚原京都](3R2分06秒TKO)田口光太郎[新日本大阪]●

両者戦績は山本が3敗2分、田口が3敗1分といずれも未勝利で負けが込んでいる現状。未勝利で負け数が重なると判定面で不利になる傾向があるので、両者ともこの試合には是非とも勝っておきたいところ。
1R。田口はショートアッパー連打、ジャブで手数を重ね、ガードの隙を突いて細かくヒットを奪うが全体的な印象は雑。対する山本はフック中心にヒットを量産し、左右ボディから左フックなど、印象的なコンビネーションも。アッパーのキレも良し。
2R。田口は圧力と手数こそ凄いのだが、やはり乱雑でオープンブローも目立つ。一方の山本はフック、アッパー中心にヒット数で大差を築くのだが、こちらは圧力不足が目立ち、“アグレッシブ”の要素では微妙な印象も。
3R。クロスレンジでの乱打戦。田口の手数攻めが攻撃偏重でガードを緩めた山本に決まって互角の展開に持ち込んだシーンもあったが、山本は要所で有効打を奪い、最後は連打で畳み掛けてレフェリーストップを奪った。やや早いストップにも思えたが……
山本は5戦未勝利の主原因ともなっていた動きの消極さを払拭させて完勝。相手のしつこい手数攻めをガードしつつ、打ち終わりを狙ってキレのある有効打を浴びせ続けた。以前から地力的には「相手を選んで1〜2勝程度」ぐらいはあったので、今日は実力相応の結果とも言える。
田口は手数攻めで渋太く戦ったが、オープンブローの多い乱雑な攻めばかりが目立った。動きも全体的に緩慢で、ボクシングの試合以前の「動く的に向かって必死に手を出すだけで精一杯」という段階で留まっているように思える。