駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・Sバンタム級契約ウェイト(54.0kg)4回戦/○佐々木佳浩[金沢](判定3−0)高橋裕幸[陽光アダチ]●

両者戦績は佐々木3勝(2KO)1敗1分、高橋2勝(1KO)2敗。佐々木は新人王戦にはエントリーせず、昨年12月、今年6月と連勝中。高橋は新人王戦で緒戦敗退してしまい、この日が再起戦。
1R。両者距離を開けて対峙し、時折一気に踏み込んでは力んだ強打を打ち合う展開。2人とも不発多く、ヒット数には恵まれないが、左カウンター2発をヒットさせ、ラウンド主版にワン・ツーをまとめた佐々木が小差優勢。高橋は再三狙っている左フック強打を当てたいが……
2R。このラウンドも両者KO狙いのパンチを振るい合う強引で粗い展開。佐々木はカウンターと右ストレート、高橋は左フックでほぼ同数の有効打を決め、優劣判断は際どい。
3R。このラウンドもまた、雑な強打狙いに終始する。全ての要素で殆ど互角の展開でジャッジ泣かせの内容。敢えて差をつけるならヒット数と主導権で微差優勢の佐々木だが。
4R。高橋がコンパクトなパンチを集めて手数攻めに出るが、佐々木は空振り上等の豪快な攻勢で強引に主導権を奪う。高橋はヒット数で上回るが、守勢に回って全体の印象度では見劣りする。
公式判定は北村40-37、宮崎39-37、野田39-38の3−0で佐々木。駒木の採点は「A」38-38「B」39-39で共にイーブン。
両者雑なKO狙いに終始し、本来のポテンシャルを活かし切れないまま最終ラウンドの終了ゴングを聞いた残念な内容の一戦。佐々木はやたらと強引な攻めが目立ったが、ガードの上への強打交じりの手数攻めで攻勢点を稼いでいった。ただ、ヒット数では劣勢のラウンドもあり、ユナニマスの判定勝ちは流石に「微妙」と言わざるを得ないか。
高橋は得意の左フックで攻め込みたかったが、露骨に狙い過ぎて不発。4Rになって漸く腰を据えた攻め方で活路を見出そうとしたが、最終ラウンドにポイントアウト狙いに出ても既に遅し。もっと早い段階から主導権を確保しておきたかった。