駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・Sライト級4回戦/○千葉龍史[塚原京都](3R2分36秒KO)萩崎聰歯[G16]●

西日本(11人参加)代表の千葉は4勝(3KO)無敗、西部日本(2人参加)代表の萩崎は1勝(0KO)1敗。
1R。千葉はプレスを掛けて萩崎のテクニカルなボクシングを圧殺する作戦だが、萩崎はクロスレンジのショートブローでもダブル以上のコンビネーションで主導権を手放さず、中盤まではヒット数優勢に。しかし千葉は強引に萩崎を追い回して強烈な右ストレートでクリーンヒットを奪い、ノックダウン。
2R。千葉はこのラウンドも圧力攻めをかけ、石の様に固い拳を振り下ろし、クリーンヒットの度に萩崎に大ダメージを与える。だが萩崎も技術活かしてスピードとディフェンス勘の甘い千葉から有効打を連発して抵抗。千葉はタフネスぶりも発揮して効いた素振りを見せないが、ジャッジ的には小差の範疇まで持って行ったか。
3R。萩崎はやや失速した千葉の動きを見て、自在の攻撃でショートフック、アッパーを決めていってヒット数リード。千葉は苦戦を強いられながらもボディブロー中心に抵抗してチャンスを窺い、2分過ぎに漸く萩崎をコーナーに詰めて一撃必殺の右ストレート炸裂。萩崎は2度目のダウンを喫し、10カウントを聞かされた。
千葉は不器用さの残る試合運びながら、技巧溢れる相手を右拳だけで文字通り粉砕。苦戦を強いられた場面もあったが、打たれ強さと豊富なスタミナを活かし、少ないチャンスを2度のノックダウンに繋げた。スピード不足と右強打に頼り切りのファイトスタイルは不安定要素が多過ぎる感もあるが、さりとて彼の攻勢と右ストレートを全て捌くのはかなりの難業だろう。
萩崎は1勝選手とは思えぬ長谷川穂積ばりのテクニシャンだが、この階級ではやや線の細い所があり、今日の相手とは相性も悪かった。また、今日は西部日本決勝のビデオ*1でファイトスタイルを研究され、徹底してプレスをかけられたのも厳しかっただろう。

*1:地区代表には協会から他地区決勝戦のビデオが配布されるそうだ