駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第1試合・Lフライ級4回戦/○田口篤[森岡](判定2−0)若原義敬[神拳阪神]●

両者戦績は田口1勝(1KO)無敗、若原1勝(0KO)無敗。田口は今年7/2にデビュー戦勝利を挙げたばかりだが、若原は04年12月以来1年10ヶ月ぶりのリング。
1R。近距離での打撃戦。若原が接近して来る所を、田口がジャブ、ワン・ツー、フック、アッパーと自在の攻めで迎撃し、ヒットの山を築く。若原もワン・ツー中心にヒット返すが、やや大振りで粗い。そしてラウンド終盤、田口は左アッパーでダウンを奪う。
2R。乱打戦。ラウンド前半は田口が精度高い連打で優勢だが、ガード低く頭の動かないディフェンスで被弾も多い。終盤には若原がワン・ツーやアッパーを決めて形勢挽回し接戦。
3R。若原はラウンド序盤にストレート、フックの右強打で有効打連発し先行。田口は中盤からジャブを鋭く当てグラつかせて攻守逆転。途中泥仕合気味の展開になるが、終盤にも田口は印象的なヒットを連発して形勢はほぼ互角まで接近。
4R。田口が足を使いつつ有効打を重ねていくが、若原が圧力かける攻勢でヒット連発し一気に逆転。だがラウンド終盤の乱打戦で田口がもう一頑張り。ヒットを4〜5発浴びせて優劣微妙。
公式判定は新井38-37、北村38-37、半田38-38の2−0で田口。駒木の採点は「A」39-36「B」40-37で田口優勢。2〜4Rはいずれも微差の範疇で、ダウンの2点差が最後まで響いた試合になった。
格闘技興行の第1試合としてはベストのフレッシュかつ激しい乱打戦。田口はケンカファイトだったデビュー戦に比べると随分ボクサーらしい戦いぶりとなり、頼もしい成長を見せてくれた。頭を振らないディフェンス故の被弾癖が気になるが、コンビネーションの精度など攻撃面で強調材料も。
若原も久々の試合にしては動きのキレは悪くなかったが、やはり1Rのダウンが痛恨。また、守備力と攻撃のバリエーションの乏しさが、優勢に出来るラウンドを互角に留めてしまった感も。