駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第10試合・フライ級6回戦/○久田哲也[ハラダ](判定2−0)堀江純平[大阪帝拳]●

両者戦績は久田5勝(3KO)3敗、堀江4勝(1KO)3敗。久田は昨年末から苦戦を凌いで連勝して来たが、7/28に判定負け。改めてA級昇格を狙う。堀江は7/22に4勝目を挙げてC級を卒業し、これが初のB級6回戦。
1R。中間距離で両者正攻法でのせめぎ合い。久田がボディアッパーで先制のヒットを奪うが、堀江はハンドスピードあるジャブで久田のガードを割って逆襲、ラウンド終盤にはショートアッパーも見舞う。久田はそれでもボディブロー、顔面への右ストレートをヒットさせて小差まで持ち込む。
2R。やや距離が詰まって打撃戦へ。久田は上下へショートフック、堀江はジャブ、ショートアッパーで互角の攻防戦。ラウンド終了直前、堀江が連打で畳み掛けて小さな山場を作ったが。
3R。久田がやや押し気味にボディ中心の攻め。変則的なコンビネーション(いわゆるツー・ワン)で有効打を追加。堀江はガードを固め、ショートアッパーでこすっからい攻め。手数はやや劣勢だが、印象的な場面も作った。
4R。互いにガードを固めてショートレンジの打撃戦。堀江がアッパーを有効打すれば、久田もストレートやボディ連打で応戦して互角。手数をまとめる久田の姿が印象的だが……
5R。このラウンドも打撃戦。久田がボディに強いストレートをヒットさせるが、堀江のジャブや連打のヒットが目立つ。久田は手数攻めを明確なヒットに繋げたい。
6R。久田がプレスをかけてガムシャラに手数攻め。右ストレートを効かせておいて、ボディに手数の山。堀江も踏ん張って細かく連打を立て続けにヒットさせて肉薄し、ラウンド後半も一進一退で互角にまとめたが、ラウンド全体を俯瞰すれば久田が小差逃げ切りか。
公式判定は半田58-57、北村58-57、宮崎57-57の2−0で久田。駒木の採点は「A」57-57「B」58-58でいずれもイーブン。小差〜微差のラウンドが多数の大接戦となったが、久田がボディに的を絞った手数攻めで際どくポイントを奪ったか。
久田が相手の固いガードと早く細かいジャブ、アッパーに大苦戦するも、相手がボディのディフェンスが甘いと見るや距離を詰めてショートボディの連打で手数を稼いで劣勢を挽回し、要所で右ストレートの有効打も重ねて僅差のマジョリティ・デジション。
堀江は攻守手堅く互角以上に戦ったが、ラウンドの行方を決定付けるような強打が泣く、惜しい星を落とした。但し実力そのものは6回戦でも通用するはず(事実、この3週間後にB級初勝利を飾った)。
なお、このカードは11/17に再戦が予定されている。堀江は10/9→10/29→11/17という超ハードスケジュールになるが、中には1年単位で試合枯れする選手もいる事を思えば、ある意味プロボクサー冥利に尽きる“好況”だろう。