駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第3試合・Sライト級4回戦/△金井龍哲[ウォズ](3R2分01秒負傷判定0−0)川人紀夫[ハラダ]△

両者戦績は金井が未勝利2敗、川人2勝(2KO)1敗1分。金井はデビュー戦の相手が今年の新人王戦Sライト級西日本覇者・千葉龍史[塚原京都]で、続く2戦目、そしてこの日も新人王戦上位進出が狙える選手とばかり対戦している。川人は6/4に新人王戦ウェルター級2回戦で丸野琢哉[守口東郷]にKO負けして以来の再起戦。
1R。ガードを固め専守防衛気味で手数乏しい金井に対し、川人がマイペースの強打攻め。決定打は無いが、ガードの隙間にアッパー、ストレートをこじ入れて強引にヒットを奪う。
2R。このラウンドも金井は不可解な程ディフェンシブな試合振りで、川人は金井の固いガードごと押していって攻勢。しかしラウンド中盤、金井はカウンター狙いが奏功して左でノックダウンし形勢逆転。泡を食ったか、ガードを上げて追撃を避ける川人だが、今度はガラ空きのボディに有効打連発。
3R。川人は強引に密着していって強いショートフック連発。金井は為す術無く守勢一方となり、更に揉み合う中でバッティングによる傷を負う。しかもこれがやがて出血が激しくなって、試合はストップ、負傷判定に持ち込まれた。
公式判定は北村、原田、新井の3者いずれも28-28のイーブン。駒木の採点も「A」「B」いずれも28-28イーブン。2Rに川人がダウンを喫するが、それ以外のラウンドで明確な優勢を築いて揺るがしようの無い判定。但し逆転の公算の高かった川人にとっては不運な裁定かも。
川人が守勢でカウンター狙いの相手に強引な攻勢を仕掛け、ダウンを喫した場面意外は優勢に試合を運んだが、不運の負傷判定に泣いた。ただ、荒っぽい攻撃やガードの拙さなどから考えると、4回戦中位級の地力水準で伸び悩んでいるようにも見える。
金井は殆どの時間で守勢に立たされ、ノックダウンのリードを守り切れなかった。今日の彼はパンチを当てる事よりも、相手からパンチを当てられない事を優先的に考えているような節が窺えた。未勝利に甘んじるような地力ではないはずなのだから、もっと高い戦意を、激しい打ち合いにでも応じる勇気を持って試合に臨んで欲しい。