駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第3試合・Sフェザー級契約ウェイト(57.5kg)4回戦/○川島潤也[金沢](4R1分35秒TKO)四ノ宮裕士[正拳]●

この試合は両者デビュー戦。
1R。良く言えばエドウィン・バレロ風、微妙な言い方をすれば岡田山金太郎風の大振り合戦。気持ちばかりが先走っていてボクシングが成立していない。クリンチも多い膠着気味の展開の中、川島が左フックでノックダウンに成功。
2R。このラウンドも膠着気味で大振り乱発。共に「狙い撃ち」という言葉を辞書から破り捨てたような振り回し合いだが、徐々に川島のアッパー、フックがヒットし始め、今度は右フックで2度目のノックダウン。
3R。やはり膠着気味の展開だが、川島が僅かな試合運びの巧さを活かして攻勢へ。しかし四ノ宮もショートフックをクリーンヒットさせて効かせると、これをきっかけに互角の形勢となって優劣微妙となる。
4R。このラウンドもゴチャゴチャした立ち上がり。四ノ宮は圧力かけつつ大振りパンチを放ってゆくが、川島が右ストレートをクリーンヒットさせ、更に手数をまとめると遂にレフェリーストップ。採点上は最低でも3点差が開いており、この最低も致し方なし。
両者ともボクシングの試合というよりもドツき合い。半ばパニック状態の中で自分の身を守るのに必死という印象で、全く練習の成果を出せていないだろう。そんな中で川島がアッパー、ショートフック、ストレートをまとめて結果的には完勝だが、彼にしても技術不足が著しく今後が不安。
四ノ宮は体の動きが固く、その上に隙の大きい大振り連発では「どうぞ狙い撃って下さい」とお願いするようなもの。4回戦並クラスの相手でも勝算が見出し難く、前途多難の現状である。