駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第8試合・ウェルター級契約ウェイト(65.5kg)4回戦/●大原里史[金沢](判定0−3)巴山宏知[正拳]○

両者戦績は大原1勝(1KO)1敗、巴山3勝(1KO)無敗。大原は5月のデビュー戦がいきなりの新人王予選で、2年連続準優勝の好川大智[大阪帝拳]に惜敗。その後8/13に初勝利を挙げている。巴山は今年3月にデビューし、6月、8月と3連勝中。
1R。巴山が体ごと圧力をかけて攻勢を仕掛け主導権。左カウンター、右ストレートをヒットさせるが密着距離は互いのパンチが噛み合わず膠着気味の展開に。大原もこの距離では自分のボクシングが出来ずに苦戦。
2R。クリンチが多く重量級ダルファイト的膠着。このラウンドも圧力をかけつつの右強打で巴山が小差優勢だが、大原も右アッパーを突き上げて守勢の中で抵抗を見せる。
3R。巴山は序盤に右ストレートを有効打させて大原を効かせるが、その後は大原がクリンチで逃げるのを振り解けずに戦線は完全に膠着。自分の距離を確保するだけのインサイドワークが欲しい。
4R。巴山は距離開けようと試みるが、単発の右ばかりで膠着を望む大原を突き放せない。やがて漸くの有効打でワンサイドゲームに持ち込んだがKOには至らず。完勝だが消化不良の幕引き。
公式判定は原田40-36、宮崎40-36、洲鎌40-37の3−0で巴山。駒木の採点は「A」「B」いずれも40-36で巴山優勢。
巴山は持ち前の右強打で効かせ、試合そのものは完勝。しかし単発気味のパワーパンチに頼り切りの試合運びには大いに課題が残った。陣営は新人王エントリーには消極的で、今後は6回戦が主戦場となる模様だが、B級ではジャブ起点の連打や自分の距離を確保するための技術が無いと苦戦を強いられるだろう。
大原は主導権を奪われた上に右強打で効かされ、最後は立っているのがやっと。何も出来ないままフルマークの完敗で、今日は悪い意味で言う事が無い。