駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第9試合・バンタム級8回戦/○松田一弘[金沢](2R2分24秒TKO)西正隼[正拳]●

メインイベントは8回戦。最近ベテラン選手の引退が相次ぐ正拳ジムで現状“暫定エース”格のA級選手・西が初の8回戦に挑む。
両者戦績は、松田6勝(3KO)5敗5分、西6勝(4KO)5敗2分。松田は6/4にタイ人を倒して2年4ヶ月ぶりの再起戦を飾ったばかり。西は4月、8月に6回戦で連勝してA級昇格。昨秋には橋詰知明[井岡]のデビュー戦の相手を務め、優勢のドローに持ち込んでいる。
1R。距離を開けてフェイント使いつつの様子見で1分ほどを費やす慎重な立ち上がり。そこから松田が唐突に左右フックを有効打させ、それをきっかけに攻勢。しかし西もこれを捌いて反撃に出て小差まで挽回した。
2R。出入りの激しい大振りフック合戦。パンチの取捨選択は大雑把な印象だが、ハンドスピードはA級のそれ。出会い頭気味のヒットが交錯する中、松田が右ストレートでノックダウン。西が立ち上がって試合再開となるがダメージ著しく、もはや時間の問題に。間もなく西が効かされた所で原田レフェリーが止めに入ろうとするも、なんと戦う両者に蹴躓いて転倒するハプニング。慌てて起き上がった原田氏が強引なストップをかけたが、それまでの間に西が若干盛り返し、互角の乱打戦が始まろうとしていただけに後味の悪い決着となってしまった。今回は大事に至らなかったが、TKOを宣告する場面は選手の命も懸っている瞬間だけに、この手のアクシデントはお願いだから勘弁して欲しいもの。
やや大味な攻防に終始したが、松田が先輩A級選手の意地を見せる快勝。ただ、日本ランカー以上を狙うにはキメ細かい技巧や駆け引きも欲しい。
西はダウンを喫するまでほぼ互角に相対していたが、最後の止められ方も含めて不運な敗戦となった。