駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第1試合・ヘビー級4回戦/●白坂貴昌[BMBスポーツ](3R0分29秒KO)樋高リオ[大阪帝拳]○

第1試合は、西日本地区では非常に珍しいヘビー級の試合。4年半前、クルーザー級契約で現A級の真木和雄[倉敷守安]と対戦し、1RKO負けして以来のリングとなる白坂と、今年8月にニュージーランドでデビュー戦勝利した“逆輸入ファイター”の樋高が相見える
1R。両者1〜2発打ってはクリンチ……のパターンを繰り返す、ヘビー級の“重さ”を悪い意味で表現した展開に。樋高が白坂をロープに押しこんだまま膠着した戦線の中で樋高がショートを当ててゆくが、白坂もクリンチ状態からショートアッパーを当て、ラウンド終盤には左カウンターも。
2R。白坂はステップワーク中心のディフェンスで樋高に的を絞らせないが、警戒心が余って攻めきれず手数も少ない。樋高は明確なヒットこそ恵まれないものの、攻勢を仕掛けている分だけジャッジ的にはやや有利か。
3R。樋高はこのラウンドも体ごとぶつかるようにして白坂をロープに押し込んで攻勢。白坂はガードを堅く固めるが、樋高はその隙間を狙ってショートアッパーをアゴに擦り付けるように打ち付けてノックダウン。白坂は立ち上がるが静止出来ず10カウントKO。
樋高は体つきこそ筋肉隆々で本格的なヘビー級ボクサーのそれだが、パンチは精度や距離感に欠け、コンビネーションも見られず終い。押し相撲のように相手をロープに詰めて強引にショートアッパーで勝負を決めたが、技術水準はまだまだ未熟。
敗れた白坂は相手の体格に圧倒されて終始守勢。ディフェンスや強打を狙い撃つ技術はむしろ樋高より上位だったが、身体能力が勝敗を左右するヘビー級は厳しかった。所属ジムでは元OPBFライトヘビー級王者・寺地永会長が自らスパーリングパートナーを務め、密度の濃い練習をしていたそうだが、試合直前に体調を崩し、最終調整に失敗してしまったと聞いた。今後は試合を求めてオセアニア遠征も検討するとの事である。