駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第2試合・Sバンタム級契約ウェイト(54.5kg)4回戦/○源甲斐幸三[Gツダ](判定2―0)貴田哲也[大阪帝拳]●

両者戦績は源甲斐2勝(1KO)6敗、貴田1勝(1KO)無敗。源甲斐は西日本新人王戦のバンタム級準決勝で橋詰知明[井岡]に敗れて以来の再起戦。貴田は6/11にデビュー戦同士の試合でKO勝ちして以来の2戦目。
1R。源甲斐はパーリング中心のディフェンスを披露しつつ、足を使ったボクシングを展開しようという狙いだが、どうにも動きが堅く貴田のワン・ツー中心の攻撃を次々と被弾する。それでも時間が経つにつれ、源甲斐は精度今イチながらワン・ツーを打ち込んでいってヒット数を稼ぎ、劣勢を挽回する。
2R。時には密着するほどのクロスレンジで乱打戦。貴田はこのラウンドもワン・ツー、そして源甲斐のディフェンスの穴を衝く右アッパーを交えた手数豊富な攻めでヒット連発。源甲斐は効かされてピンチに陥るが、ラウンド終盤には攻勢に転じて逆襲。木田をロープに詰めてのワン・ツー、右フックで、いくらかの失地挽回に成功する。
3R。このラウンドも密着しての乱打戦。源甲斐はメクラ打ち気味ながらワン・ツーフックの連打で数的優位。貴田は右フックを起点に仕掛けたかったが、攻撃のリズムが源甲斐のダッキングに合わされてしまってパンチが当たらない。
4R。源甲斐はオープニングヒットで右フックをクリーンヒット。その後は明確なヒットが殆ど無い、クロスレンジでの手数の応酬に終始し、結局この1発が判定の決め手となった形。
公式判定は原田39-38、半田39-38、北村38-38の2−0で源甲斐。駒木の採点は「A」「B」ともに38-38イーブン。
源甲斐は得意の右強打を前面に押し出して戦ったが、技術不足を露呈して辛勝に持ち込むのがやっと。相手の位置を把握しないまま放つメクラ打ちのパンチ、ボディーワークに乏しく甘いディフェンスと、前途は未だ多難。「新人王戦ベスト4」というより「戦績3勝6敗」の方が説得力のある肩書きと言わざるを得ない現状。
貴田はデビュー戦同士の試合では動きの甘さが目立たなかったが、今日は動きが全体的に緩慢に映った。多用した右アッパーにはセンスを感じさせてはくれるが、ジャブが少ない攻めでは、そのアッパーを活かした攻勢の起点が作り難いだろう。現在の地力は4回戦の並クラス程度。