駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第5試合・バンタム級6回戦/●佐藤武夫[Gツダ](4R0分59秒TKO)堀江純平[大阪帝拳]○

両者戦績は佐藤7勝(2KO)10敗、堀江4勝(1KO)4敗。佐藤は既にA級昇格の資格を持っているが、6回戦で勝ち負けを繰り返している選手。ここ1年は試合から遠ざかっており、今日は再起戦という事にもなる。堀江は10/9に久田哲也[ハラダ]と激闘の6ラウンズを戦ったばかり。今回は何と11/17に久田との再戦が既にセッティングされてからのマッチメイクで、当然そちらの方はキャンセルかと思いきや、この試合でKO負けして出場停止が掛からない限りは中18日で次の試合に臨むそうである。
1R。佐藤は距離を大きく開け、アウトボクシング気味のジャブで牽制して主導権を確保。だが堀江の固いガードに阻まれて明確なヒットは右ボディ1発のみ。堀江は自分の距離へなかなか踏み込めず手数劣勢だが、散発的に放った連打でヒットを重ね、“クリーンヒット”の要素では小差優勢。
2R。佐藤はこのラウンドもロングレンジから様子を窺おうとしたが、堀江が果敢に踏み込んでアグレッシブに攻め込む。圧力を掛けつつ連打で佐藤を追い回し、左フックを度々有効打、クリーンヒット。佐藤はジャブ中心の攻めも概ねガードされ、逆に痛打を浴びてグラつくシーンもあって苦しい。
3R。堀江が好む距離で打撃戦。こうなると完全に堀江のペースで、右ストレートが続々と有効打となって数的優位を確立。佐藤も右ボディでヒット奪いはしたが、ガードの固い堀江を攻めあぐみ、全体として劣勢が否めない。
4R。このラウンドも中間〜近距離で打撃戦。佐藤は右ボディで散発的にヒットを奪うが、アグレッシブに攻める堀江に対して守勢に立たされて、やがて堀江の右ストレートで佐藤の目尻から出血(したように見えた)。この傷が深かったようで、ドクターのチェックでは一発で試合終了勧告が出てしまう。佐藤陣営から「バッティングによる傷だ」と猛抗議があったが、負傷判定になっても堀江の優位は動かなかっただろう(3Rまでの駒木の採点は「A」30-27「B」30-28で堀江優勢)。
堀江は持ち前のアグレッシブな攻勢と、顔面をガッチリ守るガードで完勝。今日の対戦相手とは相性も良かった感じ。ガードを上げ過ぎるために密着戦でボディに被弾してしまう所が欠点だが、中間距離をキープ出来ると強い。総合的に言えば6回戦でも中〜上位レベルの地力。
佐藤は1Rこそ距離と主導権を掌握したが、その後が続かなかった。ガードが低く、それをフォローするボディワークも鈍いとあっては苦しい。過去に挙げたB級での3勝も随分と相手に恵まれた時のものだし、年齢的に(31歳)上積みも望み辛いとあっては、今後の競技生活も随分と厳しいものになるだろう。