駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第6試合・バンタム級8回戦/△李光輝[Gツダ](4R0分29秒負傷ドロー)武田高廣[大阪帝拳]△

両者戦績は、李7勝(2KO)5敗1分、武田6勝(2KO)7敗。李は02年の新人王戦でバンタム級西軍代表となったが、その後はやや伸び悩み傾向。04〜05年にかけては勝ちなしの4連敗という屈辱的な戦績をスコアしてしまった。それでも今年4月に6回戦ながら連敗を止め、今回は8回戦での初勝利を目指す。武田も昨年の12月からA級昇格後2連敗と停滞気味。とりあえずは負け越しの戦績を五分に戻しておきたい。
1R。中間〜近距離での打撃戦。コンビネーションの豊かさやスピードだけなら「流石は8回戦」といったところ。ただランカー級の選手と比べると、試合振りがかなり大味ではある。李がやや大振りのコンビネーションで右フック、ストレートを有効打すると、武田もショート中心に手数とヒットを返してゆく。李がやや優勢に映るが、差は小さい。
2R。武田は距離を詰めてショートのコンビネーションで手数攻めに出て攻勢アピール。李はこれを迎撃する形で右ストレート、左ジャブを有効打、ヒットも、ラウンド終盤には武田が再び攻勢に出て連打を畳み掛けて突き放す。
3R。武田が更に踏み込んでショートレンジの乱打戦。仕掛けた方の武田が猛烈に手数を出して圧倒する場面を作り優位を確保するが、李もコンビネーションを繰り出して逆に押し返してゆくシーンを1度、2度見せ抵抗する。
4R。気迫の籠った打撃戦でラウンドが始まったが、盛り上がりかけたところで武田が1〜2Rで作ったバッティングが原因の傷(左右目尻)にドクターチェックが入り、ここで試合終了。前半4ラウンドが終了していないという事で、裁定は負傷ドロー。
武田が自分の距離を確保しつつ連打を浴びせ、手数と攻勢点では圧倒的な優位を築いていたが、自身の負傷で無念のドローに。それでも彼にとって理想的な試合運びが出来ていたのは、連敗中の身としては一応の収穫だろう。
李は2R以降主導権を失い、ピンチを迎えたりもしたが、粘り強く戦って何とか窮地を凌ぎ切った。この引き分けは「拾った」という表現を使うのが妥当だろう。今日もまた消極的な面が顔を出しており、多難な前途は果てが見えないまま遠く遠くへと続いているようだ。