駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・Lフライ級4回戦/●佐藤靖明[西遠](4R1分41秒TKO)山本剛嗣[守口東郷]○

中日本(9人参加)代表の佐藤は3勝(1KO)1敗2分の戦績。今期トーナメントは未勝利の身でのエントリーだったが、4戦勝ち抜いて(ドロー勝者扱い1含む)の代表戦進出。3勝と2つのドローで6回戦出場の権利があり、西日本決勝では同様のケースは6回戦で実施されたのだが、何故かこの試合は4回戦。新人王戦ルールは複雑というか不親切と言うか……。
西日本地区の山本は9勝(3KO)1敗の戦績。10月の地区対抗戦では、大苦戦の末に小差判定勝ちを収めた。
1R。ショートレンジで猛烈な乱打戦。佐藤は軽快なサイドステップを駆使しつつ、精度の高い手数を浴びせてヒット連発。フック、アッパー中心の攻撃はやや大味だが力強い。山本も守勢に立たされつつでもカウンターを1〜2回決めて抵抗するが、このラウンドは劣勢。
2R。このラウンドも壮絶な乱打戦に。ここに来てタフネスで勝る山本が打ち勝つシーンが目立ち、右ストレートで印象的な有効打。佐藤は体ごと浴びせるようなプレスをかけて強引に主導権をキープするが、打ち合いでの劣勢が響いてこのラウンドは小差劣勢か。
3R。乱打戦が続くが、体力を余す山本のペースに傾き始めた。しつこいボディ攻めも交えつつヒット数、攻勢いずれも優勢。佐藤もラウンド中盤に細かく手数を浴びせる場面を作ったが、被弾の際に嫌がる素振りを見せるなどジャッジの印象は今一つか。
4R。山本の一方的な連打攻勢。佐藤は片方の目の上が腫れて距離感が鈍ったか、被弾に次ぐ被弾で大ピンチ。もはや判定でも勝ち目なしという情勢になった所で見かねたレフェリーが試合を止めた。
山本はスロースタートで暗雲立ち込める立ち上がりだったが、そこから尻上がりに調子を上げ、最後は一方的な攻勢に出て終わってみれば圧勝。体力、アグレッシブさ、回転力は全日本決勝でも誇れるレベルだが、珠にキズと言うべきパンチ力の無さをどうカバーするかがカギ。
佐藤は1Rにスピードとセンスのあるステップワークで勝利を予感させたが、徐々に効かされて失速してしまった。今日はスタミナとタフネスの差に技巧が押し潰された感。