駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第10試合・ウェルター級6回戦/●岡島和人[岐阜ヨコゼキ](判定0−3)若林豪[Gツダ]○

中日本地区は2人参加のところ、1名棄権して残された岡島和人が“認定新人王”に。その岡島は4勝(2KO)1敗の戦績だが、04年度の新人王戦・中日本決勝で敗れて以来2年2ヶ月ぶりのリング。長期ブランク明けでいきなり西軍代表戦、しかも初の6回戦とハンデだらけの戦いとなるが……
西日本代表の若林は5勝(2KO)無敗で、先のSライト級代表・千葉と同様、昨年12月のデビュー戦から、僅か1年足らずの快進撃でここまで来た。
1R。両者中間距離で動き少なく、手数、ヒット数も少ない睨み合いに終始。岡島が僅かにヒット数で優位に思えるが、10-10をつけるのが妥当とも思えるラウンド。
2R。このラウンドも手数が少なく、やや噛み合わない試合に。若林のワン・ツーが散発的に決まりヒット数で小差優勢だが、岡島も圧力かけつつボディ攻めするシーンを作る。
3R。岡島はこのラウンドも圧力攻め。単発の左ストレートでジワジワと攻める。若林はラウンド終盤に有効打を浴びると、勝気な気性を表に出してノーガードで挑発、リスキーなカウンター狙いに出る。ただしヒットと被弾は差し引きゼロで劣勢の挽回には至らず。
4R。岡島はブランクの影響かスピードに欠けるムーヴだが、若林はその遅速にお付き合いしてしまう感じで、何とももどかしい凡戦に。若林が右ストレートをクリーンヒットさせて漸く見せ場を作るが、岡島のしつこい手数攻めも効果的で微妙。
5R。このラウンドは若林が手数攻めに出て、強打を単発気味ながら打ち込んでいって優勢。アッパー中心にヒットを重ね、“アグレッシブ”の要素でも互角以上。
6R。スピード感に欠ける近距離の乱打戦。若林がボディアッパーを中心に手数とヒット集めて数的優位を確保。岡島は終盤に左のカウンターをクリーンヒットさせて意地を見せたが……
公式判定は坂本59-56、石川58-57、福地58-57の3−0で若林。駒木の採点は「A」58-56「B」59-56で若林優勢。
若林は勝つには勝ったものの、相手の悪いコンディションに合わせてしまうような試合運びに終始し、じれったい大凡戦を演じてしまった。試合前半には相手の圧力の前に主導権争いに苦しむ場面も見られ、今日は勝つには勝ったが良い所を探す方が大変な試合になってしまった。
岡島はブランクの影響も大きかったのか、西軍代表戦を争うには厳しいコンディションでの試合だった。スピード、技術とも明らかに錆び付いており、今のままでは6回戦での再起も苦戦必至だろう。