駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・Sライト級4回戦/●富平忠将[スペースK](1R2分10秒KO)千葉龍史[塚原京都]○

中日本(4人参加)代表の富平は3勝(1KO)無敗の戦績。K−1選手の富平辰文は実兄という話である。地区予選は2戦ともユナニマスの判定勝ちでクリアした。
西日本代表の千葉は5勝(4KO)無敗。デビュー戦こそ判定に持ち込まれたが、今期トーナメントではここまで全てKO勝利を収めている。対戦相手のアドレナリンを無効化、激痛を走らせる驚異的な右強打が持ち味だ。
1R。千葉はやはり圧力と強打で猛攻。スピード不足で精度も決して高いとは言えない攻勢ながら、ジャブで捌こうとする富平をパワーで圧倒し、射程距離に収めんと追い回してゆく。最初は距離が合わず膠着気味の展開となるが、やがて千葉が右ストレートをヒットさせると、富平は痛みに耐えかねる感じで後退し、思わずヒザを着くようなダウン。クリーンヒットとは言えないパンチだったが、富平はフラフラに効いていて大ピンチ。千葉はここで更に勢いを増し、最後は左のショートフックをドンピシャのクリーンヒット。富平は吹っ飛ばされるように2度目のダウンを喫して自動的KO負け。数分間失神した上に記憶まで飛ばされる壮絶な散りっぷりとなった。
千葉は今日もパンチ力だけで圧殺。右ストレートは文字通りのキラー・ショットである。技術全般やスピードの不足は否めぬが、とにかく圧力とパンチ力がずば抜けている。全日本決勝は予断を許さぬ情勢だが、このパワーは間違いなく全日本級。
富平は何もさせてもらえずに押し潰された。パワーとパンチ力の格差は言うに及ばず、それをカバーするだけのスピードもなく、今日は負けるべくして負けた試合だ。