駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sフライ級4回戦/●加藤請之佑[スペースK](3R0分54秒TKO)大庭健司[FUKUOKA]○

中日本(6人参加)代表の加藤は3勝(2KO)無敗1分の戦績。地区予選は1つの不戦勝にも恵まれて2勝で通過。
西部日本代表の大将格・大庭は5勝(2KO)無敗2分の戦績。10月の地区対抗戦ではジャッジ3氏で上下7点差がつく異様な採点結果となったが、三者三様ドローで辛くも勝者扱いを勝ち取った。
1R。加藤は、亀田兄弟風の固定ガード。ダッキングも併用するが、実戦では通用しない水準のムーヴで、大庭にジャブ連打を起点にしたワン・ツーとボディアッパーを次々と浴びてしまう。反撃するも非力さが否めない。
2R。大庭はこのラウンドも足を使いつつのジャブ連打が基本だが明確な有効打が奪えず。これに対し、加藤も圧力を増してアグレッシブさをジャッジにアピール。ラウンド通じてみれば、“クリーンヒット”は微差で加藤、“アグレッシブ”は手数の大庭と圧力の加藤で微妙、“リング・ジェネラルシップ”は大庭優勢と、極めて際どい形勢。
3R。前ラウンドと同様の展開でスタートしたが、大庭がワン・ツーをクリーンヒットさせて形勢が一気に傾いた。大庭が更に回転力ある連打からワン・ツーと左ボディをクリーンヒットすると、加藤はいっぺんにグロッキー。レフェリーがストップしてTKO。
大庭はオールマイティ型の選手で、アウトボクシングを器用にこなしつつも決める時は一気に決める思い切りの良さもある。だが突出した地力を感じさせる選手ではなく、戦績や観戦記の字面から受ける印象ほど大物感は無いと付記しておく。
加藤は「亀田の劣化コピー」というようなファイトスタイル。地力は4回戦上位級に留まっており、今日の所は奮闘空しく地力の差で押し切られた形。