駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・ミドル級8回戦/○鈴木哲也[進光](判定3−0)ゴンスリヤ・ソーダーンチップ[タイ国]●

鈴木は16勝(12KO)6敗の戦績で、現在ミドル級でOPBF11位、日本4位のランキング保持者。今年2月には板垣俊彦[木更津グリーンベイ]が保持していた日本タイトルに挑戦するも、判定で敗れている。8月末に再起戦を行い、今回が2度目の調整戦となる。
対するゴンスリヤは自称戦績6勝(2KO)3敗で、国際式は04年10月デビューとのこと。
1R。ジャブとワン・ツーにフックを絡めた2〜3連打を互いに放ち、互いにパーリングとブロッキングで捌き合う展開。ほぼヒット皆無で、ゴンスリヤが挑発したドサクサに軽くヒットした鈴木の1発のみ。
2R。ゴンスリヤがボディ中心に手数で先行。不完全ながらヒットも奪う。鈴木はアッパーと打ち終わり狙いの右ストレートで攻めるが、ヒットは1〜2発程度に留まる。主導権も見失い気味で、このラウンドはやや苦しいか。
3R。ゴンスリヤは左の鋭いジャブとボディ攻め、更にはアッパーまで繰り出して有効打連発。苦戦を強いられた鈴木はだったが、右をクリーンヒットして猛ラッシュへ転じて形勢挽回。一気に決めるチャンスでもあったが、ここはゴンスリヤがガードを固めて凌いだ。
4R。鈴木が先手、先手で漸く主導権を掌握。ジャブ、ボディを起点にアッパー、そして左ストレートで有効打。ゴンスリヤの攻めは単調で、これは鈴木がほぼ捌き切った。
5R。鈴木がジャブ、ワン・ツー、ボディブローで攻勢。ヒット、有効打を重ねてゆくが、決定的シーンは作れず。ゴンスリヤはカウンター狙い中心でヒット数発奪うが、ここに来て攻め方を見失った印象。
6R。鈴木が終始圧力かけつつの手数攻めでジャッジ上の優位は完全に確保。しかし観客席側からの視点では、淡々とゆったり時間の流れる単調な試合に。ゴンスリヤはすっかり消極的な試合振りになってきた。
7R。このラウンドも鈴木の圧力と手数。これをゴンスリヤは足を使って手数で抵抗して相殺し、ヒット数はロースコア。鈴木に数発のヒットがあったが、全く盛り上がりに欠ける展開に。
8R。鈴木がプレスしつつのボディ連打、左ストレート、フックのクリーンヒットなどで攻め立てるが、ゴンスリヤもカウンターやクリンチ駆使して粘り切り、最後までKOを許さなかった。
公式判定は半田80-73、原田80-73、大黒79-73で鈴木。駒木の採点は「A」79-73「B」79-74で鈴木優勢。
鈴木がタイ人ノーランカー相手に攻めあぐみ、特に中盤から終盤にかけては大凡戦の体たらくとなった。鈴木はミドル級にしては軽いパンチで、守備勘も日本ランカーとしては鈍い気もする。今日の様子では日本タイトル再挑戦の見通しも立てられないだろう。