駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第2試合・Sフェザー級4回戦/●渡部“伊予守”雅之[金沢](判定0−2)上谷雄太[井岡]○

両者戦績は共に1勝(0KO)無敗。渡部は昨年6/11のデビュー戦以来8ヶ月ぶりの復帰戦。高校選抜タイトルを持つアマエリートの上谷は、4回戦デビューも昨年末にプロの洗礼を浴びて判定勝ちに甘んじた。
1R。上谷は大振りながら前へ前へと突っ込むが、打ち終わりのガードが低く左カウンターを度々喰ってしまう。その後も自分の攻勢は捌かれる一方で渡部の左ストレートを浴び続け、持ち味が全く活かせないままこのラウンドを終える。
2R。上谷は圧力強めて攻勢。右ストレートで再三渡部の顔面をのけぞらせる。しかしやはり守備力不足が祟って左ストレートや右カウンターを貰ってしまう。それでも上谷はボディブローも交えて何とか優勢は確保。ただ、攻めが単発気味なのが気になる。
3R。上谷ペース。ワン・ツーを上下に散らし、フック、アッパーを交えて攻め優勢。しかし大振りで、連打の回転も鈍い。渡部はまたもカウンターとストレート狙いだが、主導権を見失ったこのラウンドは、それもままならず守勢一方。
4R。渡部はややアグレッシブに出てヒット&アウェイ策で先制するが、やがて圧力とパンチ力で勝る上谷の方が優勢に。ところがラウンド後半、渡部が右ストレートをクリーンヒットさせて情勢が混沌に。上谷の追撃も渡部が必死に捌いて、このラウンドは形勢不明。
公式採点は洲鎌40-37、宮崎39-38、野田38-38の2−0で上谷。駒木の採点は「A」39-37「B」39-38でいずれも上谷優勢。
上谷が今日も素質の高さを見せて連勝を飾った。しかし、相変わらずその素質がプロのリングに全く馴染んでおらず、またも4回戦選手に苦戦を強いられた。打ち終わりのガードの低さ、そして大振り傾向を修正しないと、4回戦上位級以上の選手と当てられたらカウンターで沈められる可能性もある。
渡部は再三にわたって攻略の糸口を掴みかけたが、微妙にナックルの外れたパンチで仕留め切れず。強打の威力不足が目立つ現状では、4回戦でも平均に満たない地力水準と言わざるを得ない。