駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第6試合・Sライト級6回戦/●巴山宏知[正拳](判定0−3)高瀬司[大阪帝拳]○

セミファイナルは正拳ジムと大阪帝拳ジムの無敗ホープ対決。
両者戦績は巴山4勝(1KO)無敗、高瀬2勝(2KO)無敗。巴山は昨年3月のデビュー以来、破竹の4連勝でC級を卒業してこれが初の6回戦。高瀬はB級デビューからタイ人相手に2連勝中。共にデビュー以来最強の相手を迎えての試金石的な一戦。
1R。クリンチ多く膠着気味。巴山が左ジャブ、ワン・ツー、高瀬が左ジャブ、フックで主導権を窺うが、共に決め手に欠ける。手数はやや巴山だが、高瀬もゴング前にパワーで巴山の体を跳ね飛ばすヒットを奪ってほぼ互角。
2R。このラウンドも中盤までは決め手無い膠着気味の凡戦。終盤になってようやく左フックで有効打を交換し試合が動いたが、その後も1発ずつヒットを交換するなど互角の攻防が続く。
3R。巴山がラウンド序盤に距離を取り、ジャブで小気味良く先制。高瀬は強引なフックで攻めるが、巴山の手数に相殺される。ラウンド中盤からはまたしても膠着模様。巴山がジャブと強引な右ショートで印象的なヒットを奪ってジャッジにアピール。
4R。巴山はこのラウンドもジャブで戦績も、高瀬は右ストレートを強烈にヒットさせて形勢逆転。更に高瀬はショートボディを被弾して失速した巴山に対してアグレッシブに攻め立てて攻勢点も確保した。
5R。クリンチ中心の膠着戦。共に不発弾気味のショートを打ち合う流れになったが、高瀬は右ストレート有効打からアッパーに繋ぐ攻勢でヤマを作った。
6R。このラウンドも膠着気味。ヤマ場の少ない流れながら、中盤にキレのあるジャブをヒットさせた高瀬に少々のアドバンテージが。
公式採点は原田58-56、半田58-57、野田58-57の3−0で高瀬。駒木の採点は「A」57-57イーブン、「B」59-58高瀬優勢。
無敗のホープ対決は、膠着の多い凡戦気味の試合になってしまった。共にスピードと連打のバリエーションに欠ける低調なパフォーマンスに終始し、今後に不安を抱かせる内容に。2人ともこのままでは8回戦で壁に当たってしまうだろう。
試合は高瀬が明確に奪ったラウンドの差をそのまま採点結果に反映させて辛勝。巴山はもっと距離を取って戦いたかったが、消極的なファイトに終始。必要以上にローリスクを追求し過ぎたか。