駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・フェザー級4回戦/△中坂正人[千里馬神戸](判定0−1)白井康太[尼崎]△

この試合のみ新人王戦と関係の無いオープン4回戦。
両者戦績は中坂1勝(1KO)1敗1分、白井2勝(2KO)3敗1分。中坂は昨年12/3に遠征で敗れて以来、白井は11月に2勝目を挙げて以来のリング。
1R。中坂が試合開始直後に左右フックでKO級のクリーンヒットを奪うと、その後も豪打で有効打を連発したが、ややメリハリに欠ける攻撃で仕留め切れず。白井は中坂の守備を切り崩せずにいたが、ラウンド終盤には強打攻勢でヒットを連発し、やや劣勢を盛り返した。
2R。中間〜近距離で強打中心の打撃戦。白井が右ストレートで先制も、中坂は左右フックから右アッパーでダウンを奪う。しかし試合再開後は優勢のはずの中坂が完全にガス欠を起こして急停車。効かされてフラフラの白井も反撃態勢を作りきれない。
3R。中坂はスタミナ切れで全く動けず、白井がジャブ、ワン・ツー、フックで自在の攻めを展開。ヒット数、手数で大差をつける。中坂は時折放つパンチのキレや重さだけは健在だが、足が全く動かずにまるでサンドバッグのように打ち込まれた。
4R。中坂はラウンド開始直後、残された僅かな体力を振り絞って攻勢に出るが、白井が脇を締めたコンパクトなストレート系パンチで打ち合いを制し、中坂を三度ガス欠に追い込む。後は白井がワン・ツー、フック、アッパーで圧倒し無数のヒットを奪取。ラスト10秒の拍子木を合図に中坂は最後の反抗に出たが、これも返り討ちにされてしまった。
公式判定は新井38-36(白井支持)、野田37-37、原田37-37のマジョリティドロー。駒木の採点は「A」「B」いずれも37-37イーブン。
4回戦のこの階級にしては「大迫力」の言葉を使うに値する打撃戦。中坂がキレと重さのあるフック攻勢で勝利寸前まで持ち込んだが、2R途中からスタミナが切れて完全にバテバテになって、今度は逆にKO負け寸前の体たらく。4R保つ体力とペース配分が今後へ向けての必須課題。
白井はやや弱味であった攻撃力に一定の進歩が窺えるが、前半2Rで3点のビハインドは余りにも痛かった。逆転勝利を目前にして攻め切れなかったのも不満。