駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・フェザー級8回戦/○小路尚也[Gツダ](8R1分37秒TKO)柏原広[ヨネクラ]●

両者戦績は、小路7勝(2KO)4敗1分、柏原6勝(2KO)7敗2分。小路は05年の新人王予選を西日本準決勝で敗退した後、6回戦に転じて2勝1敗。今回がA級緒戦。対する柏原は97年秋デビューでキャリア10年目。05年5月、5年越しで6回戦をクリアして、今回が1年10ヶ月ぶりの試合で、こちらもA級緒戦。粟生隆寛[帝拳]のデビュー戦の相手を務めた選手でもある。
1R。中間距離からジャブ、ワン・ツーで牽制しあう両者だが、小路がアグレッシブに踏み込んで手数を出し、ストレート2発有効打を決めてグラつかせた。柏原はアッパー、ジャブ、ストレートで抵抗するも苦戦。
2R。小路が右ストレート、フックで先制。クリーンヒットを獲ってヒザを折らせる大ダメージを与え、そこへラッシュを仕掛けたが、ここで柏原も左フック、右ストレート、アッパーで猛反撃。こちらもクリーンヒット、有効打を浴びせて小路を後退させ、ほぼ互角。
3R。小路主導のクロスレンジ乱打戦。右のストレート、フック中心に主にボディへヒット集めて優勢に立つ。柏原は左フック、右アッパー狙いも振りが大きく押され気味。
4R。小路がこのラウンドもクロスレンジから右のショートアッパー、ストレート中心に手数とヒットを大量に積み重ねて優勢。柏原は手も出なくなって来た。
5R。このラウンドも小路が至近距離からジャブ、ワン・ツー中心に攻勢。柏原もワン・ツーで抵抗強いが、有効打数で小路が明確なリード。
6R。小路ペースの乱打戦が続く。柏原も手数は出すが、小路の左右ショート、右アッパーが連発で決まり、ヒット数で圧倒。
7R。依然として小路主導。左右ショート、右アッパーの2〜3連打が絶え間なく柏原の顔面、ボディにヒット。柏原の抵抗も強いが、後手後手に回って手数で劣る。
8R。小路が勝勢を築いて一方的展開。左右フック連打と右ボディの単発のつるべ打ちでヒット、有効打の山。最後はコーナーに詰めて連打を見舞ってTKO決着。
両者これが初の8回戦だったが、やはり試合の印象はB級ライセンス同士の対決、という感じ。それでも6回戦なら五分以上に勝ち負けできそうな能力は感じた。
小路が右強打に重点置く連打攻勢で上下に手数とヒットを集めて数的に圧倒。後半ラウンドは、いつTKOになってもおかしくない状況が続いた。4回戦時代に出世の妨げとなった打たれ弱さも覗かせたが、以前に比べてスタミナや攻撃力の面で着実な進歩が窺え、この調子なら8回戦でも家賃を払っていけそう。
柏原は2Rに左フックと右アッパーであわやKO勝ちか、と思わせる場面を作ったが、トピックスはそれだけだった。固めたはずのガードが機能せず、被弾ばかりを積み重ねて、粘りに粘ったが最終ラウンドに止められた。