駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・バンタム級10回戦/○川端賢樹[姫路木下](2R2分12秒KO)アーチャサク・シートケイポンカンピン[タイ国]●

92年デビューのキャリア15年目、来月10には35歳の誕生日を迎える大ベテラン・川端賢樹が、日本バンタム級王座再挑戦へ向けて再起の第一歩を踏み出す。
川端は24勝(14KO)8敗2分。デビュー以来、大きく勝ち星を先行させたキャリアを重ねるも、長らくチャンスに恵まれず、トーナメント戦を含めタイトルとは無縁の日々を過ごす。しかし00年には“安全パイ”役とは言え、メッグン・トヨタタイランドが保持していたWBC世界フライ級タイトルに挑戦し、大差判定負けながら敵地・タイで12R戦い抜くと、日本タイトル戦線の主要登場人物の1人に名を連ねるようになる。01年には坂田健史[協栄]が保持していた日本フライ級タイトルに挑戦し(判定負け)、03年にはプロスパー松浦[国際・引退]と日本Sフライ級王座決定戦に出場し、自身の反則打撃や審判の誤審などもあり疑義が沸騰する結果にはなったものの王座奪取に成功、更に初防衛戦で再度松浦を降してその地位を確固たるものとする。2度目の防衛に失敗して王座から陥落した後はバンタム級に転級、05年にサーシャ・バクティン[協栄(当時)]、06年には三谷将之[高砂]がそれぞれ保持していた日本タイトルに挑戦。共に判定負けを喫したものの、未だ年齢を感じさせないファイトを展開している。
今日の相手アーチャサクは自称戦績6勝(1KO)4敗1分。昨年6月の初来日時は1RKO負けを喫している。
1R。川端は試合早々からアグレッシブに距離を詰めて右ストレート、フック、左ジャブ、ボディフックで攻め立てる。アーチャサクは打ち終わり狙いも、パンチの打ち方などは全く頼りないひ弱な印象。川端はそんな相手に合わせず容赦ない攻めを展開し、ボディフックからガード上への左フック、更に顔面への左フックで2度のダウンを奪い圧倒。
2R。アーチャサクは抵抗見せるが弱々しい。川端は噛ませ犬の動向など委細気にせぬと言わんばかりにマイペースの猛攻。コーナーに詰めてのボディアッパーでイヤ倒れ気味に2度ノックダウンを追加すると、最後は左ボディフックで撃墜。自動的KOで試合を決めた。
川端が、相手の戦意の低さに恵まれたとは言え5分余りで5度のダウンを奪う快勝。勝敗の興味が全く持てないマッチメイクだが、色々な意味でここまでやってくれれば納得もいくというもの。但し、日本タイトル再挑戦に向けては「無難な再出発を切った」という以外に意義は見出せないだろう。