駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第3試合・バンタム級6回戦/●橋口竣[正拳](判定1−2)川口裕[Gツダ]○

両者戦績は橋口4勝(2KO)4敗1分、川口4勝(2KO)2敗。
共に前回の試合が4回戦4勝目で、これが初の6回戦となる。ちなみにこの両者は05年11月に対戦しており、その時は川口が判定勝ちを収めている。近況充実著しい橋口がホームグラウンドでリベンジを狙うが、川口も西日本新人王戦ベスト4の地力を見せ付けて返り討ちにしたいところ。
1R。中間距離、共にワン・ツー主体、左アッパーなどを交えて手数とヒットを交換する。ラウンド前半は互角だったが、後半に入ると川口が持ち前の堅守と左右フック中心の攻撃を融合させて小差リードを獲得か。
2R。やはり中間距離での攻防戦。橋口は右フック、ストレートを狙うが、川口のガードとブロッキングは堅固。川口は逆に左右のフック、アッパーを渋太くヒットさせ、着実にリードを広げていった。
3R。橋口の右狙いは川口が手堅い守備でことごとく弾き、右ストレートなどで有効打も奪ったが、専守防衛に陥って手数は減った。橋口の手数と攻勢がジャッジにどう評価されるか。
4R。やや距離が詰まって打撃戦となるが、川口の堅実な攻守が光る。橋口の左ボディ、右フックをことごとくブロックしつつ、右フック、アッパー→左フックのコンビネーションでヒットを量産してゆく。
5R。密着距離での打撃戦。橋口が右アッパー、フックを擦り付けるようにしてヒット数を稼ぐが、川口もフック合戦を制して2発有効打。更にはボディや振り下ろし気味のフックで手数・ヒットも細かく稼ぎ、ほぼ互角の形勢。
6R。クロスレンジでの打撃戦。互いに上下へ単発気味のフック、アッパーを打ち込んでゆく。共に意地と気迫を前面に出していったが、攻守の技術で勝る川口がここも打ち勝つ。ラウンド終盤には川口が橋口をロープに詰めるシーンもあって攻勢もアピール。
公式判定は野田59-55、坂本59-57(以上、川口支持)、宮崎58-57(橋口支持)のスプリットで川口。駒木の採点は「A」59-55「B」60-56で川口優勢。率直に言って、川口が3つもラウンドを落としたとは思えない内容。
川口が6回戦相応の技術を見せ、ラウンドごとに小差以上の優勢を演出して見せた。不可解な公式判定結果以上の明確な差で快勝。ただ、ガードの手堅さは魅力であるものの、専守防衛に陥って攻撃性が落ちる時があり、この辺りが今後へ向けての課題。
橋口はアグレッシブに攻めたが、相手のガードに跳ね返されて通用しない攻撃方法に固執し過ぎた感。持ち味であるコンビネーションも出せないまま終わった。今日の試合振りは4回戦の延長上であり、このクラスで通用するためには全体的に一皮剥けなければならないだろう。