駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・ライト級契約ウェイト(60.5kg)6回戦/○寺田允[アポロ](判定3−0)鈴木誠[ヨシヤマ]●

両者戦績は寺田4勝(0KO)4敗1分、鈴木4勝(3KO)5敗。寺田は今年2月に、鈴木は昨年8月にそれぞれ4勝目を挙げて今回が初の6回戦。
1R。寺田が手足のスピードを活かしてアウトボクシング気味にジャブ、ストレートをカウンターで合わせてゆく。鈴木はアグレッシブに手数を出すが、ヒットは偶発的な右ストレート2〜3発に留まる。攻勢点がどこまで評価されるか?
2R。寺田がこのラウンドはステップワーク使ってヒット&アウェイ。しかしパンチの精度難は相変わらずで、鈴木の左ボディ、右フックの方がよく当たる。寺田は圧力をかけられると捌くのに精一杯で反撃乏しい。
3R。寺田のヒット&アウェイを鈴木が迎撃し、打ち合いの連続。ここは寺田のジャブ、ストレートが多数決まって優勢。鈴木は強打で効かせたいが……
4R。ラウンド開始直後、鈴木が3連打をヒットさせるが当たり浅く、寺田がジャブを2発クリーンヒットさせてすぐに逆転。その後も鈴木が攻勢を窺うが、寺田はステップとクリンチで凌ぐ、両者手数減り気味。
5R。寺田のロングレンジからのジャブ、フックがビシビシと決まり始める。鈴木も至近距離で打ち合うと強いが、寺田は劣勢をクリンチで捌き、距離を確保して再び手数を稼いでゆく。
6R。寺田がプッシング気味に強引な圧力攻勢と共にショート連打を放ち先制。更にはロープに詰めてカウンター気味に有効打を連発。ラウンド後半に入ってやや攻め疲れしたが、それでも主導権はキープして鈴木にほぼ何もさせなかった。
公式判定は坂本59-56、野田58-57、原田58-57の3−0で寺田。駒木の採点は「A」59-55「B」59-56で寺田優勢。
寺田がスピードの差を活かしたボクシングを展開し、ヒット数と主導権支配で優勢。ポイントを上手く獲り切ってB級で貴重な1勝を挙げた。ただ、6回戦の平均的な水準と比較するとこのスピードも平凡で、もう1勝挙げるには相手次第か。
鈴木は手足のスピード不足著しい。復帰戦よりはややマトモな動きになったが、強打一辺倒の攻め、主体的に試合を作れない拙い戦術など、未だ4回戦の延長上のレベル。今後もこのクラスで戦う限りは苦戦必至。