駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・フェザー級6回戦/●北野元気[アポロ](判定0−2)中川直幸[ハラダ]○

両者戦績は北野4勝(3KO)3敗、中川5勝(1KO)3敗1分。この試合は昨年11/24の再戦で、その時は中川が4RTKO勝ちを飾っている。
1R。中川が圧力かけつつ手数攻めにかかるが、北野は足を使った右アッパー中心の連打で手数と主導権支配で優勢。ラウンド終盤には右ストレート2発決めてリードを固める。中川はスピード不足が祟っている。
2R。ガード固めつつの打撃戦。北野がヒット&アウェイ、中川は前、前へと詰めながらヒットを稼いで行く。北野は1Rで機能した右アッパーに固執し過ぎて反撃を食う場面があったが、それでも右のフック、アッパーでヤマ場を作ってジャッジにアピール。
3R。至近距離の打撃戦。中川は圧力をかけつつ着実に手数を重ねる。北野は右フック、アッパーにこだわり過ぎて乱雑な攻めに終始、主導権も失う。6回戦としては低調な内容になってしまった。
4R。このラウンドも中川は追い足使いつつコンパクトなショートを次々と打ち込む。北野は強引な手数すら減り、急失速。ラウンド後半、中川はガードの下がった北野に右ストレートでクリーンヒットを奪うなど猛攻。
5R。クロスレンジ打撃戦。北野はスタミナ切れで守備甘くなり、中川のショートアッパー、ストレートが次々と決まり始める。中川はディフェンスも手堅く冷静で、ヒット数の差は一方的となりTKO寸前の形勢に。
6R。中川は左スマッシュでオープニング・ヒットを奪い先制。膠着の多い展開となるが、中川は攻守手堅く主導権確保。北野はクリンチに逃げる場面が増える。中川は北野の組み付きにてこずりながらもアッパー、フックで有効打、クリーンヒット奪取。北野はまたもグロッキーとなって疲労困憊の有様。
公式判定は北村58-56、宮崎58-56、原田57-57の2−0で中川。駒木の採点は、中川がTKO寸前の大差優勢となった5Rを10-8で固定して「A」「B」いずれも58-55で中川優勢。
中川がスタミナ優位を活かした冷静な試合運びでタフマッチを制し、リベンジ狙う相手を敵地で返り討ちにした。スピード不足は相変わらずだが、ガードが上手くなった印象で、6回戦なりの重厚さは出て来たか。これでA級昇格となるが、もう1試合6回戦で、このクラスの中位〜上位レベルの相手に経験を積んでもらいたい気もする。現状の総合力では8回戦で戦うとなると厳しいだろう。
北野は1〜2Rとスピードの差を活かして優勢も、右アッパー、フックにこだわり過ぎて強振・空振りを繰り返した挙句に3Rでガス欠。最後は立っているだけで精一杯になっていた。4回戦時代は相手に恵まれて勝ち星を重ねた選手でもあり、6回戦ではあらゆる要素で力不足の現状だ。