駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・フライ級6回戦/△木戸俊彦[明石](3R0分20秒負傷ドロー)宮崎亮[井岡]△

両者戦績は木戸4勝(1KO)6敗1分け、宮崎3勝(2KO)無敗。木戸は4/1に単身敵地・名古屋に乗り込んでB級緒戦を戦うも判定負け。今回は短期インターバルでの再起戦。宮崎は第2試合出場の上谷と同期の高校タイトルホルダー。4回戦で2試合タイ人相手に調整戦を積んだ後、4/29には05年度西日本新人王戦準優勝の須田康博[八尾]を降してB級で1勝。今回勝てばデビュー半年で早くもA級昇格となる。
1R。ラウンド前半は木戸がジャブを捨てつつ圧力をかけ、主導権支配もアピールしたが、宮崎はショートレンジに踏みとどまって応戦。後半からは右ストレート、左ジャブを鋭くヒットさせる。宮崎は相変わらず攻守粗い面あり、被弾も多いが、それでも明確に優勢。
2R。クロスレンジの打撃戦。木戸が圧力かけつつ手数振るうが威力乏しく、宮崎のスピードに対処できず不発。宮崎はメリハリある攻めで右ストレート、左フックで優勢に立つが、こちらも精度が今一つ。
3R。ラウンド開始間もなく、木戸が1Rに負傷し、2R終盤から明らかに悪化していた右目付近の傷がドクターチェックにかかり、ここで試合ストップ。負傷ドローとなった。傷は確かに浅くはなかったが、試合を止めた北村レフェリーは、試合終了を宣した直後に3Rでのストップを負傷判定になると錯誤したような仕草と様子を見せた。試合内容は宮崎の圧倒的優勢で推移していただけに、もしレフェリーの判断ミスが原因の負傷ドローならば、宮崎にとっては泣くに泣けない“幻の勝利”となるだろう。
宮崎は記録上ドローに終わったが、身体能力の差を見せ付ける試合振りで内容的には完勝。ただし、スピード面の優越とパンチの技術不足のアンバランスは未だに解決していない。
木戸は相手がアマエリートとはいえ、6回戦での厳しさを身に沁みて味わった形。後日、引退を決意したそうである。4回戦でも強豪クラスと当てられたために成績は伸び悩んだが、4年半かけてB級まで辿り着いた心身両面の強さは引退後の人生で大きな武器になるはずだ。彼の前途に幸あらんことを祈る。