駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・フェザー級8回戦/△吉村厚志[Gツダ](5R0分23秒負傷判定1−1)光山健[金沢]△

セミファイナルはプロ叩き上げの苦労人・吉村と、アマ出身・光山の対戦。
吉村は5勝(1KO)8敗2分の戦績。デビュー以来4連敗という最悪のスタートを切りながらも3年がかりで3勝と2つのドローを重ねてB級へ。昇格緒戦で勝利したものの、そこからまたもや3連敗の泥沼に。それでも挫けず今年4/22にB級2勝目を挙げて遂に8回戦まで到達した。
光山は7勝(4KO)1敗の戦績。大阪朝鮮高から近畿大へ進学し、アマチュアでは高校選抜準Vや国体出場など66勝の実績をを残してB級デビュー。6回戦を連続KOでクリアし、続く比国人選手も降したが、4戦目で上原誠[ハラダ]に敗れて快進撃がストップ。その後はいささか戦闘意欲に欠けるタイ人相手との凡戦が目立ち、長らく停滞が続いている。今回は04年11月の敗戦以来となる日本人選手との試合。母校の後輩が大挙して訪れた会場で、浮上の足掛かりを築く事が出来るか。
1R。中間距離での打撃戦も、両者動き粗く噛み合わぬ試合展開。光山はジャブ、ストレートでヒットを奪うが当たりは不完全。吉村はストレートでヒットを重ねてクリーンヒットも奪い、これがこのラウンドのトピックに。
2R。光山は前のめり気味のジャブ、フックばかりでA級選手とは思えぬ乱雑さ。先手で攻めるがクリンチも多く、偶然のバッティングで派手に出血してしまう。吉村は攻めあぐみつつも左ストレート、右フックを的確にヒットした。
3R。光山はジムの大先輩・徳山のインサイドワークを意識した戦術で、ジャブ・ストレートを当ててはクリンチに逃れてヒット数優位を確保。吉村はこの膠着した展開で手数を出せず、強打狙いも不発。持ち味を殺されて苦しい流れに。
4R。このラウンドも光山は頭から突っ込む強引な攻め。吉村はアッパー、ストレートで迎撃に成功。光山も手数を出すが、こちらはやや空回り気味か、コーナーに詰められる場面もあり強引さも目立つ。また、2Rに負った傷は悪化の一途。いつ止められてもおかしくない状態。
5R。ラウンド開始直後からクリンチが数度、ここでシビレを切らした原田レフェリーが試合を止めて負傷判定に。傷の具合と出血はそれ以前の時点でも相当酷かったが、連続負傷ドローは興行進行上拙いと思ったか、原田レフェリーがギリギリの判断で負傷判定まで保たせた形。
5Rまでの採点で争われた公式判定は野田49-48(吉村支持)、北村49-48(光山支持)、大黒48-48の三者三様ドロー。駒木の採点は「A」49-47「B」49-48吉村優勢。
吉村は光山の徳山昌守ばりの強引なクリンチに苦しめられた。得意のコンビネーションも出せず、塩漬けにされた形でドローに甘んじた。
光山は頭から突っ込み、体が流れ気味のパンチばかりで決め手に欠き、それどころか自滅気味の負傷。インサイドワークでポイントは拾ったが、この実力で8回戦をマトモに戦い抜くのはちょっと難しいかも。